出張マッサージをお願いしたら、来たのはまさかの元カレだった!? (Page 3)
「元々なんだし仕方ないでしょ!」
そう言って、肘を立てて振り返った私。
「ちょ、タオルはだけてるから!こっち見んな!」
「…っ」
…もう遅い。私には見えてしまった。
康裕の腰の高さに目線があったから、つっぱりが出来ているのがバッチリと…
「「…」」
数分の沈黙が流れる。
チラッと、康裕の顔を見ると相手も真っ赤。
「あんた…そんな毎回おっ勃っててたらマッサージ師できないんじゃないの…」
「毎回なわけあるか。いつもはこんなんならねぇよ!」
到底信じ難い発言に、訝しげな顔になって康裕をまた見ると…
「忘れられなかった女がピクピク反応してるの見たらこんなん当たり前になるんだよ。仕方ねぇだろ」
「…はい?」
またもや沈黙が流れる。
「しかもな。感じやすいって人もいるのわかってても、お前だってオイル垂らしてもないのに濡らしやがってふざけんな!」
「ちょ、それひどい!」
…まさかの紙パンツのシミがバレてた。
「久しぶりに再会して、しかも仕事で来た人が勃ってるなんてそっちのがふざけんな!」
マッサージ中のはずなのに座って喧嘩。
どうして言い合いになっているんだろう。
「忘れられなかったって言っただろ!好きな女の裸に近い格好目の前にして我慢してるんだ仕方ないだろーが!!」
「信じられない!」
その時だった。
「…っ!?」
「…ごめん、嫌だったらひっぱたけ」
座ってたのに、いきなり視界が反転した。
康裕に押し倒されてて、限りなく体が近付いてることを把握するまで数秒かかった。
至近距離で怒ったような、頬を少し赤らめたままで呟いた康裕が、私に口付けてきた。
「んんっ!」
驚きのあまり目を見開いて固まる私。
だけど、康裕とは目が合ったまま。
ドンドン!と康裕の肩を叩くけど、その手はあっさり康裕に捕まってしまった。
そして、何故か康裕はその手を自身の胸に当てさせた。
え…?
くちびるを啄みながら、分かってくれとでも言うようにもう片方の手は恋人繋ぎになる。
「…分かるだろ?」
それは、康裕の鼓動の速さを意味していた。
ものすごく速くて強い鼓動。
その意味がわかった時、私は自分の鼓動の速さにも気づいてしまった。
「分かってくれたか?」
「う、うん…」
「よし、じゃあ…えー、どこまで施術してたっけ?」
「…はい?」
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