雨も滴る可愛い同僚を泣かせるはずが、なぜか私が啼かされてしまいました (Page 3)

「なによ?」

「いや、いつもしっかりした雪奈がここまで酔っているは初めて見たな~って思ってさ」

レアだし、せっかくだからじっくり見させてもらおうかと思って、なんてニヤニヤしている。
でも悔しいことに、頭の中がふわふわして怒る気にもならないほど、私は酔っていた。

「雪奈~、会社は楽しい?」

「は…?うん、楽しい」

「今日の飲み会は楽しかったか?」

「楽しかった」

「へへっ、雪奈は酔うと随分、素直になるんだなぁ」

目の前で面白そうに笑う海翔を見ていると、なんだか犬を飼っているような気持ちになってくる。

そこで私は手を伸ばして、犬を撫でるように海翔の頭に手を置いて撫でてみた。
わぁ…柔らかい。

思った以上に柔らかな海翔の髪に、思わず頬が緩んでしまう。

「俺は犬かよ?」

エスパー?
口を尖らせながらも、手を振り払う様子のない海翔は、そのまま謎の質問を続ける。

「同僚みんなのこと好きか?」

「好きだよ」

「じゃあ、俺のことも好きか?」

「好き」

「男としては?」

「男として…?」

質問の意味が分からない私は水のペットボトルを握りしめたまま首を傾げた。

すると、海翔がいきなり私の手首を掴んだかと思うと、そのまま私を自分の方へと引き寄せた。
視界が一気に遮られ、男らしい香水の香りが私を包み込む。

「ちょ…!何!?」

何が起きているのか状況が掴めない私は、海翔の腕に腕の中でジタバタ暴れた。
…が、もちろん男の人の力にかなうわけもなく、私はそのままベッドへと押し倒されたのだった。

何が起きたのか分からない私は、目を見開いたまま海翔を見上げる。

そして、そんな呆気に取られている私を上から見下ろす海翔の濡れた髪から雫が1滴、私の頬へと落ちてきた。

「海…翔?どうしたの?」

「雪奈、ごめん。我慢したかったけれど、無理だわ…」

海翔はそう言うと、私の首筋に舌を這わせながら、器用に片手でシャツのボタンを外していく。

「やぁ…っ、海翔っ…だめ」

「ダメじゃないんじゃない?体がどんどん熱くなってきてるよ」

海翔の手がはだけたシャツの中へ侵入してきた。
それから、まるで熱くなった体温を確かめるかのように上半身を撫でまわす。

「んんっ…」

男の人に触られるのはどのくらいぶりだろう…
海翔の大きくて温かい手が優しく肌に触れる度に、少しずつ体の中心が疼いてくる。

気持ちいい、もっと…もっと触って欲しい。

そして…、私を見つめてくる可愛い彼の顔を快楽で歪めたい…。

どうしよう…私、スイッチ入っちゃったかも。

「海翔…」

名前を呼ぶと、私の首筋に顔を埋めていた海翔が顔をあげた。

「雪…っんんっ!」

名前を呼ばれて嬉しそうに私の方を向いた彼のシャツの首元を掴んで、強く引き寄せキスをした。
それからバランスを崩した彼をそのまま受け止めると、私はくるりと身を翻して海翔に跨った。

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