幼馴染のお医者さんに診察されちゃいました (Page 3)

「しょ…翔ちゃん、ここラブホなんだけど…?」

「へぇ…、綾はここがラブホって知ってるんだ?誰と来たの?」

駐車場に車を停めるまで何も言葉を発しなかったのに、やっと話してくれたと思ったら別人のように冷たい声だった。

「来たことないよ!それに、私だってラブホぐらい知ってるもん」

「じゃあ今日が初めてだね」

翔ちゃんはさっさと車から降りてフロントへと入ってく。やっぱり不機嫌そうだ…。
そんな彼の後ろを私は何が何だかよく分からない状況に戸惑いながら、慌てて追いかける。

エレベーターでやっと追いついた私はイラっとして、翔ちゃんの白衣をグイっと後ろから強めに引っ張ってやった。

やっとこっちを向いたと思った次の瞬間、素早く唇を重ねられる。

「…ンンッ」

キスしたままエレベーターの中へと連れていかれ、私の両手首を壁に押し付ける。
食べられちゃうんじゃないかと思うぐらいの荒々しいキスに私は下半身の力が抜けそうになってしまった。

エレベーターが到着すると、翔ちゃんは私の腰を抱いて部屋へつれていきベッドへ押し倒す。

「翔ちゃん!どうしたの!?なんで…なんでホテルなんか…」

いつもの柔和な翔ちゃんじゃない。

「綾が悪いんだよ…僕、ずっと我慢してきたのに、そんなエッチな格好してるから…」

え?我慢…?一体何の話をしているんだろう。

ポカンとしていると、翔ちゃんは私を起こしてぎゅっと抱きしめた。
おひさまのような温かな匂いがする。翔ちゃんの部屋の匂いだ。

「綾が好きなんだ」

「うそ…」

「うそじゃないよ。ずっと小さい頃から綾が大好きなんだ」

「私が告白しても無視してばっかりだったじゃん!」

いきなりの告白に、穏やかなおひさまの香りは一瞬にして消し去ってしまった。
それから沸々と怒りが湧いてくる。

私が怒っていることに気付いた翔ちゃんは私の手を両手で握り、すりすりと親指で撫で出した。

ズルいって…。

これは、怒った私の気持ちを落ち着かせるために小さい頃、翔ちゃんが考え出したものだ。
私が怒る度に、翔ちゃんが手を握って優しく親指で撫でてくれる。

「ごめんね。本当はすぐにでも綾を僕の恋人にしたかったんだけど、親に釘を刺されてたんだよ」

半端な気持ちで私と付き合うのは許さない。本当に好きなら医者になる夢を叶えて自分に自信をつけてからだと言われ続けていたという。

だから医者になって3年目の今年のバレンタインには、翔ちゃんから告白する予定だったと…。

胸が張り裂けそうなほど嬉しい。

翔ちゃんはまた私をベッドに押し倒すと唇を重ねた。舌が侵入してきて、私の舌を絡め取る。

ヌメヌメとした舌の動きが気持ち良くて、トロンとしてきた。

「エッチなナースの診察を始めよっか」

診察!?

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