恋愛不感症の私が女性用風俗を利用したら、爽やかイケメンに身も心もトロトロにされて、忘れられない快楽を知りました。 (Page 5)

「冬真、今日はありがとう」

駅に着いてそう言うと、彼は「こちらこそ」と言って笑った。

本当はまだ一緒にいたい。

そう思って、まだ辛うじて繋いでる指先を離せないでいると、優しく頭を撫でられた。

「琴乃、俺のこと選んでくれてありがとうね」

そう微笑まれて、そっと繋ぎ止めていた指先がすり抜けていった。

「うん、じゃあね…」

「またね」の言葉を必死に飲み込んで、私は足早に改札へ歩き出した。

改札を抜けて、やっぱり名残惜しくて振り返ると、もう人混みの中に彼の姿は見つけられなくて、胸が締め付けられた。

どうしよう…。

私、冬真のことが好きだ。

そう確信したら涙で視界が滲んだ。
 
報われないと分かりつつ私は、きっとまたあの予約のボタンを押してしまう。

Fin.

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