ストーカーの正体は優しい義兄だった。拘束されて激しく抱かれ続けた夜。 (Page 2)
*****
「お風呂あいたよー。裕介も入っちゃえば?」
すっかり気が抜けた私は、肩に掛けたタオルで髪を拭きながら、ベッドに寄りかかっている裕介に声をかけた。
「梨花…、危機感無さ過ぎだろ…。なんて格好してるんだよ」
そう指摘されてギクッとしてしまう。
ついいつもの、ノーブラTシャツに下はショーツだけのスタイルで出てきてしまった。
「別に…いいじゃん今更ー、兄妹なんだしー…」
私はそう言いながら冷蔵庫からプリンを取り出して、ベッドの前のローテーブルに置いた。
裕介の隣に座ろうと思ったけど、裕介が怒ってると言うか、神妙な顔をしてる気がして少し緊張が走った。
「なんか見つかった?」
恐る恐るそう聞くと、「いや?別に…」とだけ返されてしまった。
だらしなさ過ぎて怒ってるかな…と思って、腰を下ろすのを躊躇ってしまう。
「梨花さぁ…」
低い声でそう言われて、私は思わず身を固くしてしまう。
流石に下は履いてくればよかった…。
そう思ってドギマギしていると、裕介はローテーブルに置いたままの、私のスマホを手に取って見せてきた。
「コイツなんなの?」
不機嫌にそう言いわれて困惑してしまう。
画面には、同僚男性からのメッセージアプリの通知が表示されている。
「…え、なにって…、ただの同僚だよ」
私は困惑しながらも、軽い口調でそう答えた。
「へぇ?でもこの前も、遅いと思ったらコイツの車で帰ってこなかった?」
そう責めるように言われてドキッとしてしまう。
「それは、べつに電車が…」
トラブルで止まってしまったから、送ってもらっただけ…。
そう言おうとして言葉に詰まった。
なんで、そんなこと知ってるの?
そう思って固まっていると、グッと腕を掴まれた。
「前の飲み会の帰りも、梨花が酔ってるからって肩抱いてたしさぁ、コイツ下心透け過ぎなんだよ。ブロックするからアプリ開いて」
不機嫌にそう言いながら睨まれて呆然としてしまう。
「仕事の人だから、そんなこと…きゃっ!」
思わず後ずさってしまった瞬間、グイッと腕を引かれて、足がローテーブルにぶつかってしまった。
瞬間、まだ開封してない苺プリンがローテーブルから転がり落ちた。
…あれ?私、最近苺プリンにハマってるって言ったっけ?
そんなことを考えていると、後ろのベッドに強引に押し倒されて、裕介に多い被さられた。
「ちょっと、ふざけてるの…?怖いからやめてよ…」
「コイツ家に入れたりした?」
私の言葉を無視して、冷たい目線と口調でそう言ってくる裕介が怖くて、心臓がバクバクして泣きそうになってしまう。
「いれてないよ…」
そう言って、不安で縋るように裕介を見つめた。
「ふーん…。まぁ、一通り見たけど男の痕跡はないみたいだしな。でも、家の前までくるような奴、見逃せないなぁ」
独り言のように怖い顔でそう言う裕介が、いつもの裕介じゃないみたいで怖くて堪らない。
レビューを書く