ヤンデレ系元カレに身も心もドロドロに溶かされる (Page 2)

*****

「ん…」

頭も体も重い。どうやら私は、伊吹を意識しないようにと思うあまり、かなりの量を飲んでしまったみたいだ。

伊吹と昔馴染みだった居酒屋に行き、彼の仕事の愚痴を聞いた。私の悩み相談にも乗ってくれて、凄く楽しい時間を過ごした。

それでもなるべく早く帰らなければと思っていたのに、気がつけば眠っていたらしい。ズキズキと痛む頭を押さえようと手を動かした瞬間、違和感と共に聞きなれない鈍い金属音が耳に響いた。

ジャラッ

「な、なに…これ…」

両手首と両足首に、それぞれ枷(かせ)が嵌められている。それはベッドと繋がっていて、十分な長さはあるようだけどそういう問題ではない。

しかも恐ろしいことに、私は服も下着も一切身に付けていなかった。

「確か伊吹と飲んでたら急に眠くなって…それで…」

まだ意識ははっきりしないけど、この部屋には見覚えがあった。だって何度も何度も、ここに来ていたから。

「あ、遥。目覚めた?気分はどうかな」
「い、いぶ、き…」
「ちょっと薬が効き過ぎちゃったかなって、心配してたんだ」

優しい声色に、穏やかな瞳。怒鳴られているわけでもないのに、私の体はがたがたと震えはじめる。

「伊吹、一体私に何したの…?」
「眠くなる薬盛ったんだ。それから服を脱がせて、手枷と足枷を嵌めた」
「な、何でこんなこと」

驚きと恐怖で口の中がからからに乾いて、上手く喋れない。伊吹はそんな私の頬にゆっくりと指を滑らせた。

「遥のことが好きだからだよ。好きで好きでどうしようもなくて、遥以外何も要らない。こんなに愛してるのに、遥は俺から離れようとする」
「それ、は」
「だからね、閉じ込めることにしたんだ」

そう言って笑う伊吹の綺麗な笑顔に、私の背筋はぞくりと震える。無意識のうちに目尻から零れ落ちた涙を、彼の熱い舌がぺろりと舐めとった。

「お願い伊吹、こんなことやめて…」
「遥が俺から離れないって確信できたら、すぐに外すよ」
「確信できたらって…」
「そんな気起きなくなるくらい、今からぐちゃぐちゃに犯してあげる」

恐怖で動けなくなっている私の唇に、息吹がキスを落とす。それはまるで最愛の恋人にでもするような、甘くて優しいキスだった。

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