魔法少女(中の人・社畜)は敵幹部のえっちな魔法で闇落ちしちゃいました (Page 4)
「…一つの、ことにだけ…」
快楽で濁り始めた意識の中で、ぼんやりと、ちはねは呟く。
一つのことにだけ。それは、ちはねの本来の生き方に一番近いものだった。元々、自分は不器用だと認めていて、二つ以上のことを両立するのはいつも難しかった。
戦い始めたころは苦手意識を正義感が上回っていたから頑張れたが、…正直、もう無理かもしれないと、最近は思い始めていた。
「あなたの強さにおんぶにだっこで、壊れかけるまで無理をさせている連中が、…私は嫌いです」
うすうす感じていた不安を、明確に言語化される。そしてそれを嫌だと言われる。敵のはずなのに。
「…どうして、そんなこと…」
「言わないとダメですか?」
ロカイユは一瞬、困ったように視線を逸らすと、もう一度ちはねの目を見つめなおした。微かに、頬が染まっている。彼は小さく息を吸い込んで、意を決したように口にした。
「…あなたが好きだと、思ってしまったので」
ちはねの心臓が跳ねた。こちらを見つめるロカイユの目に、弱いものをいたぶる歓び以外のものを見てしまった気がした。
ぬぷっ、と指が割れ目の奥まで入り込んでくる。折り曲げられた中指の先端が入口にちゅぷちゅぷとあてがわれた。
「あッ…」
「『正義』なんかじゃなくて、私のものになってくれませんか」
開けてほしい、というように、入口を撫でられる。時折クリトリスを優しくひっかかれて、周りに蜜を塗り込むように、舐めまわすみたいに触れられる。紋様が熱を持って輝く。思考が焼き切れる。目の前に差し出された、多分他の誰も手渡してくれないやさしさと快楽で、脳がぐちゃぐちゃに掻き回される。
「嫌なら、もう二度とこういうことはしませんが…」
二度と、という言葉で、強烈に胸が痛んだ。後押しをするように、腹の奥深くが疼く。ずきずきと熱を持つ。
「…わたし…」
ちはねは躊躇して一瞬唇を閉ざしたあと、もう一度、開いた。
「わたしは…」
細やかな設定と丁寧な心理描写めちゃくちゃいいです!
もちもち さん 2022年6月14日