初めての行為は誰も知らぬ場所で
私と良太(りょうた)は同じ高校に勤めている教師で、普段は生徒の目を避けるため、デートも家ばっかりだった。夏休みに入り、同僚の協力もあって休暇のシフトが被ったことから、二人で南の島へと旅行に出かけて、そこで…!
「わあ…やっと来れたね!」
目の前に広がるのは絶景の青い海。
周りにはほぼ人がいない。
自然が豊かなとある島に私たちはやってきていた。
「はしゃぎ過ぎだろ」
良太は海を見て目を輝かせる私を見て笑うものの、当の本人はアロハシャツにサングラスという出立ちだった。
「良太に言われたくないな〜」
私はわざとらしく鼻で笑ってみせる。
「お二人さん、到着したよ」
船の運転手さんにそう声をかけられて、私たちはビーチに足を踏み入れる。
*****
「はぁ、たまには旅行とか行きたいなぁ」
私が夏休みのシフト表を見つめながら、そう呟くと背後から突然声をかけられる。
「か、れ、し、と?」
「お、驚かさないでよ…」
彼女は良太と私の同期であり、3人揃ってこの高校に勤めている。
「代わってあげるよ。ただし、お土産話よろしくね!」
*****
そうして私たちは無事に休みを合わせ、南の島への旅を決行した。
ここは宿泊人数に制限がかけられていることもあり、私も良太も思いっきりはしゃぐことができた。
夕飯も海鮮が美味しくて、舌鼓を打ってしまった。
そして、お部屋は海を見渡せるコテージ。
「部屋広ーい!」
私は勢いよく大きなベッドに大の字になったあと、良太に「ほんと来れてよかったねー!」と声をかける。
既に互いにお風呂を済ませていることもあり、私はベッドにゴロゴロしていたが、良太は少し思い詰めた顔をしていた。
(この歳にもなってこんなことしてるから、引かれちゃったかな…)
なんて私が考えていると、良太は決心したかのような顔で私の方を見て言う。
「その、さ。…俺たち、まだ初めて済ませてないじゃん。だからさ、その、…やりたいな」
妙に照れ臭そうな様子で言うものだから、私は思わず大笑いしてしまった。
「ぷっ、あはははははは!」
「笑うなよぉ!」
「いいよ?」
私はそう言うと、ベッドに寝転んで少し彼を誘うようなわざとらしいポーズをとって見せた。
良太は顔を赤面させると、ベッドの上に乗り、私を上から見下ろすかのような体勢を取る。
「…そんな顔されたら、我慢できないだろ!」
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