両片想いを知らなかった私をお仕置きする、強気な幼馴染の彼 (Page 3)
まず、場所が悪かった。
力哉くんが仕事場として借りている部屋に、差し入れを持ってきたところだったので、助けを呼ぶのはまず不可能だった。
部屋は防音、誰かが来ることもない二人きりの空間、おまけにソファで隣り合わせに座っていれば、逃げる隙などどこにもない。
力哉くんはあっさり私を組み敷くと、唇を合わせる直前で呟いた。
「俺の夢を、誰よりも応援してくれた佳乃の夢だから俺も守ってきたのに…」
力哉くんの苦しげな言葉に反応して、うっすら開いた私の唇が食むように覆われた。
初めてのキスは熱くて荒々しくて、私はとっさに唇を閉じようとする。しかし、力哉くんの舌のほうが素早く、私の口をこじ開けた。
れろっ、と舌の裏側を舐められて、反射的に彼の舌を噛みそうになるのを必死で堪える。彼の商売道具の一つを傷つけるわけにはいかない。
そのまま舌同士をいやらしく擦り合わせ、最後に私の舌を吸い、彼の顔がゆっくりと離れていく。
私は肩で息をしながら、彼の身体を突っぱねようとした。だが、さすがに男女の体格差で力哉くんの身体はびくともしない。
「やだ…だめだよ、恋人でもないのに…」
「まだそんなこといってんの?」
耳元で囁かれたかと思えば、耳介を舐められ、しまいには耳全体をぱくりと食べられてしまう。
逃げられないように手で頭全体を固定されているせいで、無事なほうの耳も塞がれている。くちゅくちゅとした水音しか聞こえなくなって、私の背筋をゾクゾクとした快感が駆け抜けていった。
「佳乃が俺のこと好きだなんて、ずっと知ってる。俺の気持ちも、当然佳乃はわかってるって思ってたんだけど?」
耳を解放され、真正面から見詰められる。
あまりにも真剣な顔に感じたのは、ほのかな恐怖と罪悪感だ。
知らない。全然知らなかった。想像したことさえない。
私が涙を溢れさせながら首を横に振ると、力哉くんは悔しげに呻いた。
「なんだよ、それ…全部、俺のひとりよがりだったわけ?」
再び彼の顔が伏せられる。伏せた先は私の首筋だ。
熱い吐息に身を震わせていると、不意に湿った感触が首を撫でた。ちゅっと強く吸われ、そのまま舐め上げられたのだ。
次の瞬間、ぶちっと嫌な音がした。
ブラウスのボタンが力任せに引きちぎられ、前を開かれたのだ。
「いっとくけど、今さら逃がさないから」
彼の手が、お腹のくびれ辺りから侵入してくる。晒された私の素肌を、力哉くんの熱い手が撫でた。
手は堪能するように私の肌をさすり、やがてブラジャーに辿り着いてしまう。
私はといえば、力哉くんのピリッとした雰囲気にすっかり怖じ気づいて、動けなくなってしまっていた。
「孕ませちゃえば、一緒に来てくれる?」
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