息子に内緒の秘密の関係 (Page 2)
「ベッド、行こ」
「…うん」
ひとしきり舌を絡めてお互いの味を堪能したところで、翔太くんは私の耳元でそう囁いた。
初めて会ったとき、怪しい者ではないと伝えたくて渡した連絡先。その日のうちに届いたお礼のメッセージから始まって、いつしかおかずを届けるのが通例になっていった。
そして良かったらお茶でも…から一線を越えてしまって以来、私は翔太くんとの不倫を続けている。
「今日も可愛いね、美沙さん」
「こんなおばさんに可愛いって…」
「だから、いつも言ってるよね? おばさんは禁句。美沙さん、まだ39だよ? それに俺が言ってる可愛いは、本音だから」
9歳上の夫とは、もう10年以上セックスレス。夫はいわゆる仕事人間で、浮気や風俗とは無縁ではありそうだが家にいないことが多い。
息子にとってはそれなりに良い父親であるものの、私は寂しく思うときがあった。
「俺、美沙さんの匂いが好きなんだ」
「あッ、ぁ…ン…」
「この柔らかいおっぱいも大好き…」
失いかけていた女としての自信や肯定感を、救いあげてくれたのは翔太くんだった。彼のご両親は60代とのことで、美沙さんは全然お姉さんだよと言ってくれる。
「この下着、新しいやつ?」
「うん、そう。ピンク…若作りしすぎかな?」
「そんなことないよ。美沙さん、ピンク好きなんでしょ? 似合ってる…」
でもすぐ脱がしちゃうけどね。そう言ってイタズラっぽく笑う翔太くんが眩しくて、私も自然と笑顔がほころんだ。
第一印象では大人びていて落ち着いていて、息子と2つ違いにはとても見えなかった翔太くん。そんな彼が私と二人きりになると、年相応の可愛らしさを覗かせるのが堪らなく嬉しかった。
「今日、最後までしていい?」
「いいよ…旦那、今日は夕飯いらないって言ってたし」
翔太くんの指がはやる気持ちを滲ませて、私のブラジャーのホックを外す。服を脱いで下着まで取り去り、肌を晒すときはいつだって緊張した。それと同時に、恥じらう気持ちゆえに満たされる乙女心もあった。
「あッ…ン、ぁ…」
「声、聞きたいな。大丈夫、隣は空き部屋だからさ」
翔太くんとはこの部屋でしか会わないと決めていた。外でのデートやラブホテルは、やっぱりリスクが高いから。それに身も蓋もない言い方をすれば、お互いに一番の目的はセックスだったから、この部屋だけでも不満はなかった。
「美沙さん、ぐちょぐちょだね。俺、見たいな。美沙さんが、自分で触ってるとこ」
「翔太くんの…えっち」
遮光性の低いカーテンから透けた西日に照らされて、部屋の中には薄い橙色が漂っていた。私はベッドの上でおずおずと脚を開いて、その中心へそっと指を這わせる。翔太くんのねっとりと湿った視線が、私の指先に集まっている気がした。
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