電車の中は快感の入口

・作

毎朝、混みあう電車で会社に通う美優。ここ一か月、痴漢に遭うようになった。最初こそ嫌だったのに、耳に届く吐息、私に触れる手つきが段々と気持ちよく感じてきてしまい、痴漢に遭うのが楽しみになっていく。さて、今日はどんな事をされるのかな。

(今日は…これにしようかなっ)

手に取ったのは、購入したばかりの白い下着。

出勤前は普通なら憂鬱な時間なのに、最近は楽しくて仕方ない。

本当に「最近になって」の話だ。

*****

毎朝、満員電車に揺られ会社に向かう。

暑い時期は汗をかいたまま乗るので、密着するとべたつくし自分の臭いも気になる。

そんな毎日に嫌気がさしていたころだった。

この日はいつにも増して混雑が激しい。

(苦しいし、距離近いし…早く駅に着け…)

何とか自分の場所を確保しようと身体を動かしていると、自然と誰かの身体が当たる。

もぞもぞ動くと、お尻に何かが触れた。

これだけ混んでいれば自然な事…と気にも留めなかった。

このまま自分のスペースを確保して少しホッとしていると、まだお尻に当たっているものに温もりを感じる。

(ん…?触られてる…?)

最初は驚きと恐怖心だけだった。

(痴漢?…いや、勘違い?声出した方がいい?…混んでいて手の位置が悪いだけ…だよね)

しかし時間が経つとお尻を撫で回し始めた。

この日から毎日『痴漢』という行為になった。

それからはお尻を撫でまわすだけでなく、スカートの中に手が入ってくる、など段々と過激になっていった。

まだ無いのは、蜜部を直接触る事だけ…。

しかし痴漢に触られるたびに声が漏れそう、蜜部が濡れる…そんな事が増えていった。

最初は嫌悪感が強かったが、段々と快感に変わっていった。

いつの間にか痴漢に遭うのが楽しみになり、見られる訳もない下着を毎日選んでしまっていた。

*****

もうすぐターミナル駅。

乗り降りの乗客が多く、この駅で痴漢は終わる。

多分この駅で降りるんだろう。

(少し、残念…)

ドアが開くと、降りる人が動き出すと私はその波に呑まれそうになる。

(流される~…)

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