秘密の共犯者 (Page 2)

「何してんの?」

びっくりしたように私に聞いてくるリョウ君。

「あ…ちょっと、生活の足しにしようと思って…」

ひきつった笑顔で答えるのがやっとだった。

どうしよう。

知り合いに会う可能性は、なきにしもあらずだけど、まさかリョウ君だとは思ってもいなかった。

「そうなんだ!まぁ、とりあえず中に入ってよ!」

笑顔でドアを開けて待っていてくれるリョウ君。

いやいや、そんなすんなりと…。

かなり、問題行為だよね?

「あの、私…」

「カナのこと気にしてるの?大丈夫だよ。俺、今出張中ってことになってるし」

「いや、そういう問題じゃ…」

「それにマユちゃん、仕事で来てるんでしょ?俺もお金払ってるし。お互い特別な気持ちがある訳じゃないんだから」

そう言うと、私の腕を掴み半分強引に部屋の中へ連れ込んだ。

「…」

気まずい。

と、いうかこの状況はヤバイ。

「緊張してるの?なんか飲む?」

彼は冷蔵庫を開けて物色する。

「…リョウ君は、なんでそんな平気なの?」

「え?だって、こんなの友達もやってるし。俺も初めてじゃないしさ」

「でも…結婚式前だよ?」

「式の前だからだよ、結婚しちゃったら好き勝手遊べなくなるし。子供が出来たらそれこそ行けなくなるじゃん」

彼の考え方が、自分と合わないことは分かった。

それは別に良い。

友達の旦那だし。

でも、

「私、無理かも…チェンジしてもらえる?」

素直に申し出た。

お金の関係とはいえ、罪悪感がなくなる訳じゃない。

素直にお祝いできなくなる。

「大丈夫だって、最後までするわけじゃないんだし」

私の申し出を却下して服を脱ぎ始めるリョウ君。

「ちょっと…!」

「それに、こういう顔見知りが相手って、ちょっと興奮する」

そう言うと、私に近づいてきた。

後退りすれば、その分リョウ君が近づく。

あっという間に壁際に追い込まれてしまった。

近い。

俯く私の目の前に、彼が立っている。

今までお客さんにしていたことを、リョウ君にする。

そう考えただけで恥ずかしさと緊張で鳥肌が立った。

「いやだよ…」

私の言葉を無視して身体を軽々と持ち上げると、ベッドに放り投げた。

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