光系イケメンに育った義弟に襲われてます! (Page 2)
――などというやりとりを経て、光は結局家に来た。
まあ、血が繋がってなかろうがなんだろうが、光は可愛い弟である。両親の心配ももっともだ。押しに弱く、根が優しい光がいつ犯罪まがいな手段に手を染めても罪悪感を覚えない強気女子に取って食われないとも限らない。だが、だがしかし。
「ちょっと居座るには、随分本格的に色々持ち込んだな…」
「そ、そう?父さん達に色々持たされちゃって…」
困った顔で、光は自分の衣服が入った段ボールを開ける。
正直、二三ヶ月も一緒に暮らせばほとぼりも冷めて帰るだろうと思っていた私としては、予想外の荷物が持ち込まれていた。
教科書なんかは仕方ないにしても、オールシーズンに対応できる服のバリエーションやら、一気に買い足された食器なんかはやり過ぎなんじゃないだろうか。部屋には光専用のクローゼット代わりとなるカラーボックスまでしっかり作り込まれていて、家主の私としては苦笑を禁じ得ない。
「光はさぁ、これで良かったわけ?」
荷解きを手伝いながら、それとなく訊いてみる。
あの日、両親との話し合いで弟の身の安全を担保に折れざるを得なくなった私と、話を勝手に進められた光はほとんど入れ違いになってしまったので、私は光の気持ちを聞けていないのだ。
ちなみに私が解いているのは、急拵(きゅうごしら)えで買った光の布団である。
我が家が一人暮らしとしては比較的広めの1LDKとしても、さしもにベッドは許容できないとして、親に買わせたものだ。光が帰った後は客用布団にすればいい、そんなことを考えながら、収納袋から枕やら敷布団やらを取り出していく。
「…姉さんは?」
「へ?」
思わぬ質問返しに振り返ってみると、私の後ろで服をカラーボックスに収めていたはずの光が、真剣な面持ちでこちらを見ていた。
うっ…子供の頃から整った顔はしてたけど、イケメンの真顔の威力すごい…。
さりげなく目をそらして、私は口を開いた。
「うーん、そりゃ最初は何いってんだって思ったけど、そんなのはあんたが一番思ってるだろうし。困ったときはお互い様っていうか、これまで姉らしいことなんて全然…」
とん、と肩が押され、油断していた私の身体はあっけなく出したばかりの布団の上に倒れた。
「光…?」
「姉らしいことなんて、しなくていいよ」
何かをこらえるような顔をした光が、照明の明かりを背負って私を押し倒している。
ぎくりと強張ったのも束の間で、光は自分の額を私の肩口に押しつけた。
「ストーカーで困ってたのは本当だけど…姉さんへの片思いのがずっとしんどいんだからね。それなのに、俺を引き取ったりしてさ…」
首をぬめったナニかが這っていく。見なくてもわかる、舐められたのだ。
「二人きりなんだし、間違いくらい起こってももう仕方がないよね」
ほら見ろ父よ、やっぱり万が一はあったじゃないか。
エロすぎました…
とにかくエロくて興奮しましたし、丁寧な描写で話に入りやすかったです!
りん さん 2021年9月20日