口説かれるタイピング (Page 2)

「そうやって、物欲しげに俺を見てたらいい…」

標的である彼の目に映る私は今にも食らいつきそうなほど飢えているのに、獲物は気付かないフリ。

挑発するようにゆっくりと指を見せつけるように頬を撫で、唇をなぞったり時につまんだりし虜にさせる。

「ぅっん…」

親指に力を入れて唇をこじ開け、グッと突き進み舌を押す弾みに歯を立ててしまう。

傷つけたくない。そう思ってしまい無理やり口を開けた。そのせいでどうしようもなくだらけた舌を弄ぶ指先とリンクし涎が止まらない。

「…や、め」

「どう、タイ1の味は…?」

なんで知っているのか?きっと見たんだ、落としたアレを。

「変態」

グチュッ―!ンはぁっ、んんっ…ふぁぁ、ゃっ!

あの繊細な指が私の唾液で光っている。その指が頬を両側から力強くはさむ。

その激しさにぎゅっと閉じざるをえない口を覆うように口付けられると、呆気なく彼の唾液も混ざり行き交い、そろそろ息苦しさを覚えたころ、いきなり取り込まれる新鮮な空気。

ひゅっ――!

「ゲホゲホッ…ッハァハァっ」

「だらしない顔して」

「!」

「そんな挑発的な目もいいけど」

手の甲で口元を拭いながら力が抜けた私を見下す。

そんなはずはない。キスで感じる私がいるなんて。

彼氏にしたいわけじゃない。手帳に記した男たちが並ぶ姿を妄想するだけで満足だった、なのに。

早くタイ1…違う、彼が欲しい。

その指先だけじゃ満足出来そうにない。内腿を擦りながら見上げて懇願した。

「…かわいいな、でも」

影が私に落ちる。彼の目を逸らさず見つめた。今度は私が捕えられる番であって欲しいと。

「二度目はないよ、いい?手帳燃やせる?」

コクリ。

「嘘をついたら、この指で何するか分からないから…」

「あ、でもこの指で何かされたいからといってわざとするのも危険だよ、約束してね?」

物言いは穏やかなのに身体がザワつく。コクコクとしっかり頷く私を見て満足げに小さく微笑んだ。

床に倒された脚の間に、彼の膝がグッと押さえつけるように立ち塞がる。

ぁああ…!

まだ下着越しなのに溢れて止まらない私のいやらしい液で彼を濡らしてしまうのではと考えるだけで少し身体が強ばってしまう。

「何、抵抗してるの?グチョグチョだから?」

「ッ」

ばっ、と下ろされた下着はクルクルと小さく丸まり投げ出され、閉ざされていたアソコがパックリと開いた拍子に空気にさえ過剰に反応してしまう。

「愛液がねっとりしてる、もしかしてセックス久しぶり?」

(な、なんでこの人は…こんなに嬉しそうなの)

「何、考えてる?」

「っぁぅ!」

くぷり、と一気に沈められる長い指。

彼は愛液渦巻く私の中を、気持ちいいと思ってくれるだろうか。
勇気をだして薄目を開けた、すると…程よく紅潮した肌に半開きの唇。獲物を捕らえこれからどう食すか色めき立ち血走る彼が映る。

はぁああぁっ…

その姿に私は煽られて思わず彼を引き寄せ重なり合う唇はとてつもなく甘美な蕩ける息遣いで包まれた。

「きもち…い」

「素直でいい。そのまま、俺に流されて」

二本に増やした指はクイクイと奥を責め、ねっとりしていた愛液も透明な水音に変わる。

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