ご褒美はベッドの上で
上司である西山透とよく残業を共にしている石垣ありさ。二人はそんな仕事のストレス解消のために、いつの間にか身体の関係ができあがっていた。今日も終電を逃した二人は、ラブホテルへと向かい、しっぽりとストレス解消に勤しむ……。
「もー!また西山さんと残業だあ!」
石垣ありさは、ごく一般的な会社の事務員をやっている。
ここ近年、残業を減らすことを強いられている社会の中に生きてはいるが、ありさの勤める会社は関係ない。
事務仕事とはいえ、人員を増やすこともままならず仕事ばかり積みあがっていく。
ありさとその上司にあたる西山透は、よく二人で遅くまで会社に残っているのだ。
「俺だって早く帰りたいよ。なんで専務は退勤時間間際に、この面倒な書類を回してくるんだ……」
「そんなことより、これ明後日までの回答希望なんですけど!」
「んなもん無理だ無理!社内会議通さないと返事できねえよ!断れ!」
「西山さんから言ってくださいよ~!」
そうしてお互いに文句を言いながらも二人は仕事をこなし、日々を送っている。
そんな生活を続けていれば、当然のことながらストレスも溜まっていくものだ。
ありさは甘い物や洋服などの買い物で散財、西山は酒、二人はそれでストレス解消をしていたのだが、ある時双方共にどうしても体調を崩してしまったことがあった。
その際にお互い甘やかすようにしたところ、仕事が大変なことを知り尽くし、頑張っているところも知っているためか、一緒にいて非常に居心地がよかったのだ。
そこから何故か交際に発展するというわけではなく、セックスフレンドという立ち位置に落ち着いてしまったのはお互いに不思議に思っていた。
「はあ、あっ……あんっ……」
今日も他の社員より大幅に遅れて仕事が終わった二人は、もう終電を失っていた。
そうなると二人が向かう先は一つ。
ラブホテルである。
「あ~……やばっ……石垣、出すぞ……」
「んっ、あっ……どう、ぞっ……あ、んはああっ!」
ベッドの上で重なり、揺れていた二人はその動きを止める。
大きく引かれた腰を突き入れた西山は、ありさの腰を引き寄せてぐりぐりと左右に揺らした。
腰に添えられた西山の手を握り、ありさは荒い呼吸を整える。
「すご……西山さんの、相変わらずすごい量……」
「石垣のナカが気持ちいいからな」
薄い膜越しに熱い液体が放たれているのを感じ、ありさはうっとりと目を細めた。
ゆっくりと西山の腰が引かれていき、中に残っているまだ芯のある熱が静かに抜けていく。
ちゅぽん、と引っかかりがなく抜けたそれは、重たい液溜まりを作り、シーツの上に落ちた。
「やっぱり一回目だとかなり多いな」
「西山さん30代にしてはすごく元気ですよね~」
「30代と言ってもまだ31だぞ。石垣だってもうすぐだろ?」
「私まだ25歳です!」
「どうせすぐ30になる」
きゃっきゃとからかいながら身体に触れ合いつつ、二人は見つめ合い、唇を交わした。
最近仕事でしにかけていたのでとても癒しになりましたありがとうございます。身体も心も求め合ってるのに名前のない関係性がたまらないですありがとうございます
犬好きの匿名 さん 2021年2月19日