ふたりで秘密にして
ルームシェアという言葉に隠された、女性同士の恋。「触れてもいい?」たった一言で始まった、優しくて甘い一夜。同性ゆえの戸惑いや秘密の関係を乗り越えて、心と身体を重ねていくふたりの繊細な関係性と、静かに燃える官能を描きました。大切にしたくなる百合作品です。
「ねえ、なつき。……わたしたちって、変かな?」
そう聞くと、隣にいたなつきが小さく笑った。
いつもみたいに、柔らかい笑みで。
けれどその目には、すこしだけ揺らぎがあった。
「変じゃないよ。……でも、世間から見たら、たぶん変なのかもね」
大学を卒業してから、ずっと一緒に暮らしている。
ルームシェアってことにしてるけど、私たちは恋人だ。
あえてそう口にすることは少なかったけれど——今日、なつきが言った。
「さやのこと、ちゃんと好き。ずっと一緒にいたいと思ってるよ」
その言葉だけで、涙が出そうになるくらい嬉しかった。
「……わたしも、なつきのこと、大好き」
そう言って抱きしめたとき、ふたりの体が自然に寄り添った。
顔を上げた彼女の唇に、そっと口づける。はじめはお互いに戸惑いがあったけれど、キスが深くなるたびに、心が熱を帯びていく。
「なつき……触ってもいい?」
「……うん、さやの手なら、どこでも」
彼女の言葉に、胸がきゅっとなった。
シャツのボタンを外していくと、すべすべとした肌があらわになる。
小さく震えているのは、緊張? それとも期待?
「綺麗……」
頬に手を当て、もう一度キスをする。唇から首筋へ、鎖骨、胸元へ。
胸に触れると、なつきが小さく息を漏らした。
「あっ……さや……っ」
舌先で乳首を舐めると、身体がびくっと跳ねる。
胸を優しく揉みながら、指先でその柔らかさを確かめるように撫で続けると、彼女の吐息が甘く乱れていった。
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