エッチなモニターバイトは私の天職でした
アルバイト先の倒産により無職になった田原かな子は、とにかくすぐに稼げる仕事を探していた。そんなときに見つけたのは「アダルトグッズのモニターをするアルバイト」。採用の通知を受けて在宅での業務を始めたかな子は、どんどんと快楽に溺れてハマっていってしまい…
「アダルトグッズの…モニターバイト」
先月、勤めていたアルバイト先が倒産して無収入になった私は、取り急ぎ食いつなぐための職を探していた。勤務期間が短かったため失業保険は受給できず、家賃の支払いや奨学金返済のことを思えばすぐにでも収入が必要だった。
「一回あたりの報酬が3000円とかか…他のモニター案件よりは確かに高額だけど…」
親は既に他界しているため身を寄せる場所はなく、大学は出たものの資格もスキルもないアラサー。
加えて、これまで住居と隣人の運にことごとく恵まれなかったため転居を繰り返している。騒音、ストーカーによる住居侵入、隣室の火災、耐震設備不良による強制退去。
「とりあえず応募だけしておくか…こういうの、地味に人気で倍率高いらしいし」
元々が低賃金生活だったうえ、度重なる引越しで貯金はほぼゼロ。現在住んでいる部屋は実に快適で、家賃は少々高いものの絶対に引越したくはなかった。
「堅実なバイトも探さないと…でも私、なかなか受からないんだよなぁ」
人見知りでお金の管理が苦手、体力も事務系スキルもなく職歴はどれも浅い。容姿端麗でもなければ、自慢できるような特技もない。コンビニや飲食店のバイトは務まらず、どちらも1週間でやめていた。
「もう眠い…寝よう」
食べていたポテトチップスの残りをざぁっと口に流し入れ、垂れ流しているだけで見てもいなかったテレビを消した。そして台所へ向かい、100円均一の店で買ったコップで水道水を飲む。
部屋着にしている高校時代のジャージの毛玉を眺めながら、私は小さくため息をついた。
*****
「田原かな子さん、ですね?」
「は、はい…そうです」
「わざわざ弊社まで足をお運びいただき、ありがとうございます。本日は宜しくお願い致します」
「宜しく…お願い、します」
応募した夜から2週間後、私は都内のとある会社に招かれていた。アダルトグッズの制作・販売会社。
ビルのツーフロア分の事務所や作業室を構え、出迎えてくれた女性社員の方も物腰柔らかで好印象を抱いた。
「さっそくですが、お仕事の概要から…」
渡されたアダルトグッズを実際に使用して、自分なりのレビューをすることが基本の仕事らしい。見た目の印象や使用感、類似品があればそれとの比較、どういう人に向いていそうかなど。
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