カラダに残った彼のユビサキ (Page 5)

恥ずかしさでいっぱいになりながら、それでも私は言った。早く、このもどかしい快感に決着をつけたくて。

「キス、だけじゃないでしょ?」

「…」

「ちゃんと言ってください」

「キスして。乳首に」

もう一度繰り返した私に彼は微笑みを消した。

「そうですか」

言うなり、私から指を抜いた。

「んっ…」

思わぬ衝撃に体を丸めた私をよそに、ベッドヘッドに手を伸ばす。そこにはサービスで設置されている充電用のケーブル。手にした彼が私の手首を掴んであっという間に両手を縛り上げた。

「え、え?何…?」

「俺にそういう態度取り続けるなら、体の方に聞きますね」

「ちょっ、」

ケーブルごと私の両手を強引に引っ張ったかと思うと、ベッドヘッドの飾りのポールに引っ掛けて私を押し倒した。

「何するの?!何なのこれ!」

「由希さんが悪いんですよ」

再び私の中に指を入れてくる。さっきまで気持ちよくされてた分、何の抵抗もなく硬い指はつるりとイイところまで入ってきた。

「あ、んッ」

同時に乳首にキス。いきなり両手を縛られて怯えたけど、穏やかな刺激に拍子抜けして目をつむった。ら、中をいじっていた指が少しだけ動いた。

「中と外、同時にしたら正直になりますかね」

「あッ?!」

指を入れたままで、彼の手のひらが私に押し付けられた。手の付け根の厚い部分が私のクリトリスの、先端に触れて。

「ああッ、あんっ、あんっ!いや、やだ、やぁッ、やだぁぁっ!」

さっきまで散々されて敏感に膨れてしまってたソコを、押し潰されてすり潰されて、私にはなす術がなかった。ただ幼い子供のように叫ぶことしかできない。

「だめっ、死んじゃうッ!おかしくなっちゃうからぁっ!!」

身も世もなく悶え、容赦なく中と外を同時に責める彼の腕を抑えようとしたけど、両手を頭の上で縛られてて無理。ただ体をくねらせることしかできないでいる私の乳首にまたキスが。

胸の上に伏せた彼が上目づかいでチラッと私を見る。

「キスでいいんですか?」

「あっ、ああ、おねが、も、むりッ」

「じゃあもっとしましょうか」

「いやあぁっ!!」

手首まで使ってじゅぶじゅぶと激しく揺らし始めた彼に、とうとう泣き出してしまった。

「…か、かんで…」

「何ですか?」

「──っ、噛んで!私の乳首、噛んでっ」

瞬間、彼は獣のように大きく口を開けた。

「ああッ!…あっ、ああああッ!!」

両手を縛られたままの私にガブリと噛みついた歯は、乳房に食い込み、扱くように乳首へと。

尖った舌が先端をくじって、ないまぜになった痛みと快楽が私を波のようにさらう。

溺れてしまう。

沈んでたゆたって、また波にのまれて。

息継ぎしようとした瞬間、彼の腰が私に押し付けられた。

「あ…」

波が私の中にまで満ちてくる。

呼吸もできないまま彼に満たされて、とうとう私は泡のように弾けた。

Fin.

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