私たちを結ぶもの (Page 4)
「でも、ね」
言葉を続けると、けいちゃんは首を傾げる。
「けいちゃんと一緒にいると、安心するよ」
へらり、と力なく笑ってみせると、けいちゃんは一度腰の動きを止めた。
どうしたのかと見つめていると、けいちゃんは私のお腹を撫でる。
「……たぶん、俺、本社から飛ばされると思うんだよね。支社の課長とはいえ、上司を殴ったんだし」
気持ちいいことで埋め尽くされていた私の頭は、一瞬にして冷え込む。
それはもしかして、また私たちが離れるかもしれないっていう話?
「お前と同じ支社に飛ばされる可能性も低いと思う。クビになる可能性だってあると思う。だから……」
「大丈夫」
けいちゃんの言葉に続けて、私は言う。
「何度ももう会えないと思って離れたけど、こうして何度も会えてるでしょ?だからきっと、大丈夫」
お腹に置かれたけいちゃんの手を取って、言葉を続けた。
「それに今は社会人なんだし、連絡先だって交換できるよ。もう会えないなんてことないから。離れちゃったら、会いに行くから、ね?」
けいちゃんの目から涙が溢れる。
落ちてきた涙は、火照った私の身体にはちょっとだけ冷たい。
「麻美……」
「これで終わりになんて、したくないよ」
そう続けると、けいちゃんは再び腰を動かし始めた。
しかもちょっと強くて、乱暴に。
「あっ、けいちゃっ、あっ、あうっ!」
「オレも……オレも終わらせたくない!麻美、好きだっ……好きなんだ……!!」
熱が落ち着いてきた下半身は、ぶつかり合う衝撃のせいでまた熱くなってきた。
両手の指を絡ませた私たちはまた深いキスを交わす。
舌で相手を感じ、もう離れたくないという思いがその動きに現れていた。
「けいちゃっ……あっ、あぁあっ!だめっ、きもちっ、い……!」
私がよく鳴くところを重点的に、けいちゃんは責め立てた。
気持ちいいのがお腹の奥に溜まって、どんどん余裕がなくなっていく。
目の前がチカチカして、お腹の奥がザワザワしてくる。
「けいちゃんっ、もう無理っ……イクっ、イクっ……!」
「オレもっ……麻美っ、一緒に……!」
キュンキュンとお腹がけいちゃんの熱を締め付けているのを感じた。
そして、けいちゃんが深いところまで熱を突き立てる。
「麻美っ……ぐっ、おっ、うおおおっ……!!」
「あっ!!けいちゃっ、あっ、んあっ、あーっ……!」
けいちゃんが身体を震わせて、最後の精液を吐き出した。
私もけいちゃんに思いっきりしがみついて、絶頂の感覚に震える。
「けいちゃ、けいちゃん……」
探すように呼ぶと、けいちゃんは優しくキスをしてくれた。
私たちは何度もキスを交わすと、静かに見つめ合う。
「……もう、離したくない」
けいちゃんの熱のこもった言葉に、私は微笑んだ。
「私も、これからはずっと一緒がいい」
けいちゃんとこうなった今なら、胸を張って言える。
私とけいちゃんを結ぶのは、腐れ縁なんかじゃなくって、運命だったって。
Fin.
良かったです…ちょっと感動
ねむ さん 2020年9月2日