私たちを結ぶもの (Page 3)

けいちゃんはおでこを合わせたまま私の目を見る。

「嫌いになった?」

「な、なるわけない!」

思わず即答した私にけいちゃんはきょとんとして、それから少し間を置いて笑い出した。

「そっか、それならよかった。お前に嫌われたら、オレ……」

私の肩に頭を置いたけいちゃんは、そのまま私をまた押し倒す。

見上げるけいちゃんは、泣き出しそうな、嬉しそうな顔をしていた。

「けいちゃん……」

「オレ、ずっとお前のことが好きだったんだ。何度離れても必ず出会う、お前のことが……」

目を潤ませながら言うものだから、けいちゃんがとても愛おしくなって私は腕を伸ばす。

けいちゃんは私の手に誘われるままに顔を下ろして、そのまま私たちはキスをした。

意識を持って交わす唇は優しくて、柔らかくて、震えていて。

静かに顔を離すと、けいちゃんは静かに言った。

「……もう一度、お前のこと抱いてもいい?」

断る理由は、もちろんなかった。

――それからどのくらい時間が経ったのか、よくわからない。

今の私に聞こえるのは、ベッドの軋む音と、けいちゃんの荒い呼吸と、やらしい水音。

「麻美っ……はあっ……麻美……」

私のことを抱きしめながら、けいちゃんはずっと私の名前を呼んでいた。

身体の奥深くまで潜り込んだけいちゃんの熱は、もう何度か溜まった熱をゴムに出しているのにまだ衰える気配がない。

私もはじめは痛かったりしたけれど、だんだん気持ちよくなってきて、声を抑えられなかった。

「はあっ……あっ、あんっ……けいちゃ……あっ、あっ……」

身体の中をけいちゃんが出入りしている感覚がすごく不思議。

触れ合う場所はとってもぬるぬるしていて、何度も往復で擦られていて、とても熱い。

引きずり出される感覚に仰け反ればけいちゃんは嬉しそうに笑い、押し込まれる感覚に震えれば可愛いと言って何度もキスを落とす。

「けいちゃあ……きもち、い……?」

「ああ……お前の中、すっごいいいよ……っ、ぐ!」

今度は舌を絡ませる深いキスをしながら、けいちゃんは数度目の絶頂を私の中で迎えた。

ゴムを通して感じる精液の量は、相変わらず多い。

「んううっ……んっ、ふ……」

何度達したかわからないほど、私もずっと感じている。

けいちゃんに触られる場所が全部熱い。

「ごめん、あと一回だけ……」

引き抜いてゴムの処理をして、また新しいゴムを身に着けたけいちゃんは私の首にキスをしながら言う。

私にはやっぱり、断る理由なんてなかった。

「麻美……入れるぞ」

くちゅ、と軽い水音が聞こえると、また熱い芯が私の中に潜り込んできた。

「ひっ、あっ……あっ、あああっ、あっ……」

「ごめんな、これで最後にするから……もうちょっと付き合ってくれ……」

普段の意地悪なけいちゃんからは想像つかないくらい優しくて、私もつい抱き着いて甘えてしまう。

「けいちゃん、けいちゃん……」

名前を呼べば優しくキスをしてくれる。

トン、トン、とお腹の奥を突かれながら、私たちは唾液でべとべとになりながらもキスを交わした。

「麻美。オレ、まだお前の気持ち聞いてないんだけど」

両頬をけいちゃんの大きな手に包まれて、私はぼんやりとしながらけいちゃんの言葉を飲み込む。

「……わか、んない」

素直にそう伝えると、けいちゃんはそうか、と寂しそうに笑った。

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    3

    ねむ さん 2020年9月2日

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