バラ園の秘めごと-美しき人妻と純情BOY-

・作

資産家の妻・艶子は一見、何不自由ない贅沢な暮らしをしていた。だが実際のところ、夫との仲は既に冷え切っており、美貌と時間を持て余していた。そんな艶子はある日、自身のバラ園にて年若き花屋の青年・新に出会い、2人は許されざる関係を結ぶことに…。

「艶子さん…ああ、そうやって感じているあなたは、なんて綺麗なんだしょう…」

バラの香りが充満するバラ園にて、7歳も年下の青年に、こんな風に称賛されながら抱かれるなんて…。

まさか30歳にもなって、こんなロマンチックな恋が出来るなんて思いもしなかった。

だが所詮、これは許されざる関係なのである。

艶子は新の逞しいペニスで突き上げられる度に、快楽に酔うと同時に、この幸せを失うのが怖くて、必死で新にしがみついた。

*****

「艶子さんって、本当にお美しいわね。まさに資産家の郷津氏の妻に相応しい女性だわ」

昨日屋敷で行われたパーティで、艶子は大勢の客人達から称賛の言葉を浴びた。

事実、齢30になる艶子は、大輪のバラの花のように美しかった。

栗色の髪はシルクのように滑らかだし、白い肌は染み1つなく、目鼻立ちが整った容姿は、女優と見まがう程に麗しい。

この美貌あってこそ艶子は、小さな造園屋の長女であるにも関わらず、この名門・郷津家に嫁ぐことが出来たのだ。

今から6年前。彼女と父が造園の仕事で郷津家を訪れた際に、長男の郷津真一が艶子に一目惚れしたのがキッカケである。

「娘が郷津家に嫁げば、家は安泰」と家族は大喜びだったが、とうの艶子は幸せではなかった。

事実、艶子は今日も孤独を紛らわせる為に、郷津家の片隅にあるバラ園にて1人過ごしている。

バラ園に設置してある椅子に腰かけ、テーブルに置かれたローズティーを飲みながら、色とりどりの咲き乱れるバラを眺める艶子。

その景観が綺麗であればある程、艶子には虚しいことのように思えた。

そしてついつい、こんなひとり言を発してしまう。

「どれだけ綺麗だって、見向きされなきゃ意味ないわ」

事実、一回り年上の夫・真一は結婚して半年後にはもう、別の愛人に夢中になっていた。

結局、どれだけ艶子が綺麗であろうと、一緒に過ごす内にその感動が薄れてしまったということなのだろう。

”このままきっと、夫に顧みられることなく、1人寂しく年老いていくんだわ”

そんな悲しい予感を紛らわせるために、艶子は趣味のガーデニングで、バラ園を1人せっせと世話し続けてるというわけである。

すると急に背後で「ガサッ」という草を踏む音がした。

「何かしら?」と思って艶子が振り返ると、そこには20代前半と思わしき1人の青年が立っている。

色白で容姿端麗な青年は、白いシャツに青いジーンズといった服装で、絵に描いたような美青年である。

突然の侵入者に戸惑うと同時に、自分好みの青年の登場に、艶子は思わず胸をトキめかせた。

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