推しの関西弁裏垢男子に知らないうちに洗脳されて脳イキしまっくっちゃう私 (Page 3)
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『ごめーん!今日の予定ずらしてもいい?彼がどうしても会いたいって』
今日は大学時代の友人と飲みの予定だったのだが、待ち合わせ場所に着いた途端に予定が無くなってしまった。
付き合い立てホヤホヤで、ラブラブ真っ盛りの友人に文句も言えず。
仕方ないなぁと笑って済ませたものの…
(せっかくここまで来たしなぁ)
電車で駅前まで来てしまったので、このまま帰るのももったいない気がする。
私は『せっかくだから』ということで、気になっていた近くのバーに行ってみることにした。
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到着したのは、オシャレな隠れ家的な雰囲気が魅力のバーだ。
金曜日の夜ということもあり、店内はそれなりに人が多い。
私は一人ということもあり、カウンターの端の方に腰かけた。
人は多いものの、このバーの雰囲気のためか、みんなしっとり静かに会話と食事を楽しんでいる。
可愛らしいお酒と、オシャレなサラダ。
私もいい気分でこの空間を楽しんでいると、突然横から声をかけられた。
「お姉さん、一人?」
聞き覚えのある声に、身体の芯が疼く。
驚いて視線を向ければ、キレイにさらさらと揺れる茶色の髪の毛が目に入る。
「どうしたん?あ、けっこう酔ってる?」
「…雪、くん」
咄嗟に声がもれてしまった、だって…
『全身ビクビクして、かわいいなぁ』
『ぐちゃぐちゃやん、イキそうなん?』
何度も聞いた声と、エッチな動画とはミスマッチに感じてしまう、キレイな顔。
そのままの雪くんが、目の前にいたのだ。
私の言葉を聞いて、雪くんは目を丸くした。
そりゃそうだろう。
声かけた女がフォロワーなんて、なかなか無いに違いない。
「へぇ、ビックリやわ。もしかして…見てくれてるん?」
私の耳元に近づき、小声で囁く雪くん。
その途端、一気に顔面に熱が上がったのを感じた。
「顔、赤いね?」
「いえっ…そんなことはっ」
恥ずかしがらんでもええやんと笑いながら、雪くんは私の隣の席に腰かけた。
「名前、何ていうの?」
「…香澄です」
「キレイな名前やね、ピッタリやわ」
「あっ、ありがとうございます…」
あまりの恥ずかしさに、声が消えそうになる。
「今日、予定無くなっちゃってな~困っててん」
(かっこいい…いい匂いする…)
「香澄ちゃんは?待ち合わせ?」
「いえ、私も予定が無くなっちゃったので…寄り道して帰ろうかと思って」
「一緒やん」
どないしたん?
関西弁かいな?
下手やなー
そんな男は
オランやろー
知らんけど
新作期待してまっせ
ほなな
清花 さん 2025年5月16日