彼氏が絶倫すぎたので一ヶ月禁欲令を出しました
彼氏が絶倫すぎて、会うたびに迫られる。押しに弱い性格が災いしていつも拒み切れない麻耶。これ以上は体がもたないと思った麻耶はしばらく禁止しようとしたら、ごねられて一ヶ月禁欲ということに。何とか我慢した彼だけど許可をした途端迫られて、甘く体中愛される。
別に嫌ってわけじゃないんだけれど、次の日仕事だとキツいっていうか、しんどいっていうか…。
「はぁ、麻耶もう一回」
「も、やだぁ、あっ、ほん、とも、無理ぃっ!」
「どろどろに濡らして、まだイケるって」
押し切られるように何回目だっけ。記憶がどんどん曖昧になる。何回イッたかも分からない、それは向こうも同じだろう。
彼氏が絶倫すぎて、ちょっと体がもたない…。
求められるのが嫌なわけじゃないし、嬉しいとも思う。だけど、限度っていうのがあって会うたび毎回これはさすがに。
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「決めた。私これから仕事繁忙期だからしばらくエッチ禁止で。ハグ可、キスは応相談で」
「え、はっ!しばらく?!なんで?!繁忙期だからこそこう気合を入れるために!」
「気合を入れるために体力を温存したいの」
繁忙期で残業も多くなるし、残業続きの最悪コンディションで会うたび求めらえるのはさすがに死ぬかもしれない。
嫌ならはっきり拒否すればいいのでは?と思うかもしれないが、押しに弱い性格。篤志の押しの強さはちょっと半端じゃない。
付き合ったのも押しに押されて押し切られた。ここまで押してくる人っていうのは初めてだったし、ストレートな好意、積極的なアプローチ、押し切られたとはいえ、絆されたとはいえ、好きにならない方が難しい。好きだと言われて好きになる恋愛なんてそれこそ世の中ごろごろある。
それはさておき、私だって忙しい時もある。嫌じゃないけどしんどいことも多い。
「しばらくっていつまで?2週間とか、10日とか?」
「2ヶ月とかを前提に考えていたんだけれど。それぐらいで仕事も落ち着いて体力と気持ちに余裕が出来るから」
「嘘だろ!2ヵ月とか、無理絶対無理、爆発する!」
ごねにごねられた。結果として間を取って1ヶ月は禁止にした。浮気とかできるはずがない。一途なところがあるし、私を裏切れるような度胸や同時に2人愛せるような器用さは持ち合わせてないだろう。
「大丈夫だよね、出来るよね?」
「うわ、ズルい。俺がその言い方弱いの知ってるくせに…。わ、わかったぁ」
すっごいわかってなさそうだったけれど、まあ大丈夫でしょう。いくら絶倫と言えど、こっちが本気で抵抗したり、拒否すると無理強いするタイプじゃないし。
女には何がどうあっても気分が乗らない日というのが存在する。それが分からないほど理解のない人じゃないし。
「というわけで、明後日から5日間出張だから。お土産買ってくるから楽しみにしててね」
「いや、そういうことはもっと早く言って」
そんな言葉と共に繁忙期は始まった。
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