彼女とうまくいっていない先輩を誘惑してみたら、甘々の一夜を過ごすことになって… (Page 2)
ただ、外の風にあたったせいか私のさっきの勢いは、エレベーターで上昇している間にお酒の酔いと共に去ってしまったようだ。
部屋に入った途端ベッドに並んで座ったまま2人とも動けずにいる。
ど、どうしようっ
強気の自分を取り戻そうと、立ち上がって冷蔵庫を開けるとソフトドリンクの横に缶チューハイが入っていた。
「先輩!今日サービスデイで缶チューハイ無料みたいです!」
わざとはしゃいで見せ、先輩に缶を差し出した。
それを受け取った先輩が、フッと笑った。
「な、なに笑ってるんですか?」
缶チューハイに口をつけ先輩の様子を伺う。
「いや、結由にこんなとこ連れて来られるって、意外過ぎ(笑)」
「意外ですか?」
「だって、ラブホに男連れ込むなんて」
「ち!ちがいます、冗談?っていうか…勢い?それに、先輩だって素直についてきちゃってさ…途中で引き止めてくださいよ。今、すんごい後悔してるんですから!」
私は言い訳にもならない御託(ごたく)を並べ、缶チューハイを一気に流し込んだ。
「へぇ…冗談?」
いつのまにか先輩が私の背後に近づいていた。
ドクンドクンと鼓動が速い。
「せ、先輩?」
振り返り先輩の目を見るといつもよりトロンとして、明らかに酔っている。
「だ、大丈夫ですか?」
「ね…冗談だったの?」
「何がですか?」
「俺に、楽しいことしよって言った…」
「えっと、それは…楽しく…ゲームでも、しますか?」
先輩はブンブンと首を振って、またもやクラクラとしている。
「頭揺らしたら余計に酔いが回っちゃいますって…」
すると先輩は突然ガバッと抱きついて来て、ベッドに2人して倒れ込んだ。
私はまんざらでもない状況だったが、内側で理性と感情がせめぎあっていた。
「ちょ…先輩?」
「ふふ、可愛い…ほら…舌だして?」
相変わらずトロンとして言うのがセクシーに見えてキュンとしてしまう。
先輩は明日覚えていないかもしれない。
酔ってたってことで、無かったことになるかもしれない。
頭の中でたくさん言い訳をしながら、私は口を開けて舌を出した。
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