奥手な彼に火を付けたら、蕩けるぐらい愛されて… (Page 4)
十分に濡れそぼった入り口に先端があてがわれる。早く迎え入れたいとばかりに、入り口はそれに吸い付くように収縮する。
「挿れるね?」
眞は頷く私の頭を撫でて、腰を前へ進めた。
「はッ、あぁ…」
眞のそれは身体に見合った立派なサイズで、私の身体には少し苦しいけれど、充足感でいっぱいだった。ゆっくり進んでくるそれが私のナカで根本まで埋まり、震えるほどの幸せを感じる。
「苦しくない?」
不安そうに尋ねる眞を安心させたくて、顔の脇につかれた手に頬ずりするみたいにすり寄った。
「全部きもちいから、もっとして」
眞は一瞬息を詰め、上半身を起こすと片手で目を覆って、あーともうーともつかない唸り声を上げる。
「そういうのずるいな。加減できなくなるよ」
「しなくていいのに」
遠慮されると却って不安になるから。
「みのりちゃん小さくて華奢だから、壊しちゃいそうで」
眞はどこか申し訳無さそうに、高価な宝石でも触るみたいな丁寧な手つきで私の手を取った。
「もしかして、ずっとそう思ってたから、今までシなかったの?」
微かに顔を赤らめて、気まずそうに笑う眞が可愛くて愛おしい。抱きしめたくて両腕を伸ばすと、大きい身体が倒れ込んでくる。広い背中に腕を回して、その温もりを身体の隅々まで感じたい。
「でも俺の考えすぎだったみたい?」
私の首筋に顔を埋めた眞は笑って、ゆるゆると腰を動かしだした。
「ん、んぁ…っ…」
「待たせてごめんね」
その動きは次第に、ぐちゅぐちゅと湿った音が聞こえるほどに激しくなる。先端が奥に到達する度に、ナカはそれを逃さないように締め付けた。
「あン、ぁ、ッ」
「すごいぎゅーぎゅー締め付けてくる」
眞の目には私のことが愛おしくて大切だと書いてあるようで、その視線を一身に受けたら余計に締め付けてしまう。隙間なんてないくらいに眞の熱を感じると、過ぎる快感から逃げようとして腰が浮く。
「可愛いね、みのりちゃん」
眞は笑いながら、逃げるようにする私の身体を抱きしめてナカを揺さぶった。
「あぁッ、や、イク」
先端で奥をじんわり押し潰すようにされて、抑えつけられた身体は抗う術もなく達する。
「も、イク、ぅ、ン――ッ」
身体を震わせる私の耳元へ眞の唇が近付いてくる。耳たぶに優しくキスした唇は低く尋ねる。
「俺もいい?」
こくこくと頷いて返すと、眞は腰を打ち付け始める。私をよくするというよりも、眞自身が達するための動きからは遠慮が感じられなくて、それが嬉しかった。
さっきよりも派手な水音が聞こえる。際限なく溢れる愛液は、私もまた限界に近付いている証拠だった。
「まこと、キス、」
言葉の続きは眞の口に飲み込まれた。舌を絡め取られながら、眞の熱がより質量を増していくのを感じる。
「んぅ、む、ふ」
息が苦しくなって、快感でぐずぐずになった身体はついにとどめを刺された。
「ん、ンン、ン―――ッ」
「ふ、っ…」
ぎゅっと抱きしめられてこの上ないくらいの幸せに浸っていると、眞にまた耳元で囁かれる。
「ごめん、もう1回いい?」
なんとなく、その声音はもう1回じゃ済まなそうで。私はとんでもない人に火を付けてしまったのかもしれない。
Fin.
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