ぶっきらぼうな彼氏が酔って甘えん坊さんになる話 (Page 2)

大輔のスーツからは、居酒屋でついたであろう食べ物の匂い、たばこのニオイ、そしてお酒のニオイが漂ってきた。
そして火照っている身体に赤い顔、力の入っていない眼差しを見るところ、どうやら酔っているらしい。
思い返せば、酔っている大輔は今まで見たことがなかった。
宅飲みもしたことなかったし、大学で飲み会に参加しても飲んでいるのは見たことなかった。
特に気にしたことなかったけど、もしかしてこうなるのを見せたくなくて、私の前でお酒を飲んでいなかったのかな?

「りさぁ…」

そう考えているうちに大輔は唇を近づけてきて、キスを求めてきた。
すごい。キスだって私がおねだりしないと大体してくれないのに、自分からしてくれるなんて。

「んっ…」

アルコールのニオイが残る中、大輔とキスをする。
唇を重ねるだけのものかと思っていたら、大胆にも大輔は舌を伸ばしてきた。
半ば無理やり唇をこじ開けられて、舌を巻きとられて、絡められていく。

「んっ…らい、ふけっ…ま、ぁっ…ん、ふぅっ…」

まるで逃がさないとでもいうように、背中に手を回されてがっちりと抱きしめられている。
離れることができずに、私は大輔のキスを受け入れるしかなかった。

「んっ、んんっ…」

唾液が口から漏れていくのを感じる。
やがて大輔が満足したのか離れていき、私はようやく満足に呼吸ができるようになった。

「はっ…もう、いきなりなんなの…」
「ん~? だって、りさに会えてうれしいから…」

そう言って大輔はその場で私のシャツの中に手を入れてきそうになったので、慌てて止める。

「ま、待って! 一回ちゃんと中に入って、お水飲もう? すごい酔ってるでしょ?」
「んー…酔ってないよぉ?」
「嘘! 絶対酔ってるって! こんなになっちゃってる大輔、見たことないもん!」

ゆっくりと靴を脱ぎ、やっと歩み始めた大輔をベッドへと誘導し、お水を持ってきた。
すぐに飲み干した大輔は、「ん」と言って両手を私へ向けて伸ばした。
それは小さい子が親に抱っこしてと、ねだっているような仕草だった。

「すごい甘えるじゃん…私ですらこんな甘え方したことないのに…あっ、ちょっ、うわあ!」

ねだられるままに抱きしめると、そのまま引っ張られ、ベッドへと組み伏せられてしまった。

「ちょ、大輔っ…」
「りさ、えっちしよ?」

ネクタイを解き、次々と服を脱いでいく大輔。
まっすぐに見つめてくるその瞳は、やはりまだ酔いを残している。
直球なお誘いをした本人は、私の返事を聞く前に身体へと触れ始めた。

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