酔いと慰めに包まれて (Page 2)

「もう今日はね、僕はヤケ酒しようって決めていたんですよ」

隣に座る竹川君は、3杯目になるチューハイを仰ぎながら言った。
職場では穏やかで優しい印象しかない竹川君が、首元のボタンを開けて、シャツを少しだけ乱している。
チューハイを飲むたびに上下する喉仏が男らしさを演出しており、いつもの調子で「男の子」だとは思えない雰囲気を出していた。

「今井さん、聞いた? 竹川君ね、彼女さんに浮気されたんですって」

おしゃべりなパートの本田さんが言う。
竹川君は、悔しいような、それでいて自分を自嘲するような表情で頷いた。

「大学4年になってからやっと付き合えたのに、就職したら教育係の先輩にすぐ鞍替えしたんですよ! ひどくないですか!?」

全く他人事ではない話に、私は深く頷いてしまった。
私の元夫も、そうだった。
職場の派遣で入ってきた後輩社員の教育係になり、残業をしてまで業務を教えていると思ったら、ホテルにしけこんでいたのだ。

「本当に、最悪ですよね」

そう呟いてから、思い出したくないことを飲み込むように、ビールを喉奥へと流し込む。
それを飲みっぷりがいいとみてくれたのか、竹川君は私のジョッキに自分のコップをカチンと当てた。

「ありがとうございます。今夜は飲みましょう、何もかも忘れるくらい」

黒縁眼鏡の奥に見える瞳は、酔っていたとしてもやはり優しいものだった。
そんな竹川君をどこか可愛いなと思いつつ、私は再びビールを頼む。
そうして散々飲んで食べた飲み会は、22時頃には解散となり…。

「それじゃあ、お疲れさまでした」

私は帰路へ着く。同じ方向の竹川君と共に。

「あ~、これで僕ら明日はお休みだなんて、最高ですね」
「本当ですね。帰ったら泥のように眠ると思います」
「僕もです。せっかくだし昼まで寝ちゃおうかな~、誰かと過ごす予定もないし…」

自虐を装った冗談に、私は笑えなかった。
それを察したのか、竹川君はすみません、と小さく言う。

「本田さんから聞きました…今井さんも、サレた側だと」
「はい…竹川君と状況が似ているんですよね」
「そうなんですか?」
「私の夫も、職場の後輩と不倫していたんです」
「それは…最悪でしたね」

そこからは、特に会話が続かなかった。
仕方がないと思う。続けられるような話題ではないから。
でも、その静寂を破ったのは、竹川君からだった。

「…僕たち、慰め合いませんか」

耳を疑う発言に、思わず足を止めた。
しかし、竹川君は至って真面目な表情で、私を見つめていた。

「僕たちのこの苦しみをわかるのは…僕たちしか、いないじゃないですか」

あまりにも酔っているな、と思った。
頬の赤らみは引いていないし、目は据わっているようだったし。
なのに、私は…。

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