彼氏の浮気現場を尾行していたら、超絶イケメンに口説かれて… (Page 2)
受付を済ませて戻ってきた彼がカードキーを片手に言った。
「2部屋しか空いてないって」
私はようやく我に帰り、彼に謝った。
「…私ったらいきなりホテルだなんて…ごめんなさいっ」
私は入り口付近を振り返り、先ほど見かけた由香さんらしき人を探しはじめた。
「私、本当は由香じゃないんです。どうしてもこのホテルの中に入りたくて、嘘ついてあなたを連れてきてしまったの」
「なんの…話ですか?」
きょとんとしている彼が、まだ腑に落ちない顔をしている。
「恥ずかしいんですけど、彼氏が…浮気してて、その現場をおさえようってこのホテルに…でも、もういいんです。帰りましょう!」
「…もう、遅いです。」
目を伏せた彼が、ため息混じりに言ったので、由香さんのことを言っているのだと思った。
「時間はそんなに経っていないですし、由香さんに連絡を取ればまだ、間に合うはずです」
「そうじゃなくて…あなたに、一目惚れしたみたいです」
「え?」
驚いて彼を見上げると、耳を真っ赤にした彼が私を真剣に見ていた。
「名前、聞いてもいいですか?」
「小百合…です。あの、君って、いくつ?」
「22歳です」
「3つも下?わかった、からかってるんでしょ?」
「からかったりしてません。それに、今どき年齢なんか関係ありません」
そういえば浮気男は3つ年上だったことを思い出す。
「そうだね、恋愛に年齢なんて関係ないのかも…」
年上だからって裏切らないとは限らないんだし。
「行こう」
彼は私の手を取り、部屋へと向かった。
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