子犬系男子が残業続きで臭ってきたから、シャワーを貸してあげたら、懐いちゃった話 (Page 2)

フォローできなかった後ろめたさから、佐々木くんを強引に連れてきたのは良いんだけど、部屋が散らかっていることをすっかり忘れていた。

焦った私はお風呂を沸かして、佐々木くんを目隠しでお風呂場に連れていった。

「私、部屋片付けるから、ゆっくり湯船にもつかってね!」

部屋着に着替えて、急いで部屋に散らばっている服や本を片付けてひと段落すると、佐々木くんの鼻歌が聞こえてきた。

「…ふふ、可愛い…」

そんなことを呟いて、すっかり片付いたソファに腰を下ろす。

テーブルにはさっき冷蔵庫から出しておいた発泡酒の缶が数本並べてある。

後でお疲れ様会しよう。

そう思っていたのに、急に眠気が襲ってきた。

寝ちゃったらお疲れ様会ができない…でも、佐々木くんまだお風呂上がりそうもないな…

そんなことを思って、記憶が途切れ、ふと気づくと私はソファで寝てしまっていたようだ。

「あれ…私、寝ちゃった…」

体を起こそうとして、起き上がれないことに気づく。

わたしが横になっているソファの下に座って、私にひじを乗せた体勢で佐々木くんが寝息を立てている。

つまりわたしのお腹は佐々木くんの上半身で抑えつけられていた。

「…んっしょ…んん、重たい…どうしよ…」

「…ん、先輩?おはようございます(笑)」

「お、おはよう。それより…重たい(笑)」

「先輩…なんで先に寝ちゃうんですかぁ?」

佐々木くんはまだ寝ぼけてるのか、ふざけてるのかわからない調子で顔を寄せてきた。

「こら、ふざけないで。ん?お酒…全部飲んじゃったの?」

「はい!飲んじゃいました。お風呂入って、気持ちよくって、気分も爽快で、なのに、先輩寝ちゃって、寂しかったです…」

それにしても、全然どいてくれない。

私は痺れを切らして、彼の肩を押しのけて起き上がった。

「こんなとこでお酒飲んで寝たら、風邪ひいちゃうよ。ほら、ベッド行こ?」

「嫌です…」

佐々木くんがポスっと抱きついて、私の胸に顔をうずめてしまう。

「ひゃ…ちょっと、佐々木くん…」

「んー、いい匂いっはぁ…すん、すん」

顔をモゾモゾと動かすからくすぐったい。

「や…くすぐったいよ、やめて…」

いつのまにか部屋着の薄いTシャツが捲れ上がって下着が見えそうになっている。

このままだと、やばい。

「…ん、先輩…柔らかい…グーグー」

「ん?え?寝たの?」

気持ちよさそうに寝息を立てている下でわたしは淫らに着崩れている。

「ほら、ベッド行くよ!」

勢いよく佐々木くんを突き飛ばし、強引に手を引いて寝室へと向かう。

なんなのよ、ちょっとえっちな気分になっちゃったじゃん。

少し悶々とした気持ちを振り払うように彼をベッドに寝かせてあげた。

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