離れた道が再び交わるとき (Page 5)

耳元で囁かれて、背中が震える。
きし、きし、とベッドの軋む音は一定で、それと同じように私の奥を透真が小突く。
もう何度も達してしまって、ふにゃふにゃになっている私を、透真は大切に撫でてくれた。

「もう、俺もイクからっ…葉月も、また…」
「んっ…わたしもっ、イくっ…とーまと、一緒にっ…」
「うん…俺たち、一緒にっ…!」

少しだけ動きを速めて、透真は強く奥を小突き始めた。
また甲高い声が出て、透真の名前を何度も呼んで、それから私たちは望み通り、一緒に果てた。

「あっ…あぁっ…!」
「葉月っ…あ、ぐっ…」

気付けば私の手に、透真の手が重ねられていた。
それはとても力強くて、もう二度と離さないと言っているようで、私は嬉しくてまた涙を流すのだった。

*****

「俺たち、やり直すってことでいいのかな」

ホテルから出て、真夜中の帰路。
もうすぐ家へ戻るために離れなければならないというとき、透真は言った。

「…それ、本気で言ってる?」
「うん…」
「こんな浮かれた学生みたいに指を絡めて手を握っているのに?」

透真の視界に入るよう、結んだ手を挙げる。
それを見て、透真はふにゃりと力の抜けたように微笑んだ。

「ごめん、なんだか信じられなくて」
「まあ、正直に言うと私もまだちょっと実感ないけどね」
「だよな。でも、俺…嬉しいよ」
「私も」

笑い合って、誰もいないのを軽く確認して、唇を重ねる。
透真は再会したばかりの時のように苦しそうな顔はしておらず、私の知っている穏やかな顔つきになっていた。
照れたように微笑み、私たちはまた歩き出す。

「俺、頑張って早めに仕事探すよ。それでさ、そのあとは…」
「そんなに頑張らなくてもいいよ。まずはゆっくり休んでもいいしさ」
「でもその間に葉月が目移りしたらと思うと、不安で」
「するわけないでしょ。あんたがもう、そばにいるんだから」

そう答えると、透真は無言で私を抱きしめてきた。
私も透真の背に手を回し、そっと抱きしめ返す。
透真の肩越しに見える夜空は、いつになく美しく見えたのだった。

Fin.

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