離れた道が再び交わるとき (Page 2)

「…元気だった?」

答えず無視するというわけにもいかず、ひとまず頷く。

「そっか、よかった」

ぎこちない返事の後は、何も続かなかった。
買い物をするために来店する他のお客さんたちは、私たちのことをいないように扱い、するりと中へと入っていく。
お互い黙っていたけど、邪魔になるからと一度スーパーの外へ出て、私たちは改めて向き合った。

「ちょうどさっき、お母さんからメッセージ来てたんだよね。透真が帰ってきたって」
「そうだったんだ…情けないって、思わなかった?」
「えっ? なんで?」
「だって、俺は都心で就職するって言ったのに、結局こうして帰ってきたんだ。普通、情けないって思うだろ?」

別に、と答えかけた声が引っ込む。
遠間はなんだか今にも泣きだしてしまいそうで、それはまるで助けを求めていると感じたのだ。
苦しそうで、つらそうで、でもそれを懸命に隠そうとする透真の手を握り、私は言う。

「飲みに行こう」
「…え?」
「今から飲みに行くよ。ほら、おばさんにも連絡して。私も今からお母さんに連絡するから」

困惑している様子だったけれど、私が急かして連絡させ、そのまま馴染みの居酒屋へ連れて行った。
話をしていくと、透真は業績を上げていたにも関わらず、上司の嫉妬で嫌がらせやパワハラが続き、それで仕事に行けなくなってしまったとのことだった。
そうして地元であるこの町に戻り、今はこっちで仕事を探しているのだという。

「大変だったね」
「いやあ…耐えられなかった俺が悪いよ。競争社会で負けたんだ」
「でも、どうにかなっちゃう前に帰ってくる決断をしたのは偉かったと思うよ」
「…それ、なんだけどさ」

仰いでいたジョッキを置いたところで、透真からの熱い視線に気付く。
思わず目を逸らしてしまったけれど、透真は小さく続けた。

「こっちに葉月がいるってわかってたから……俺は帰るって決めることができたんだ」

透真の顔が赤い。酒のせいで赤いのか、気恥ずかしいことを言ったからなのかは、わからない。
私は透真の言葉の真意を汲み取ろうとして、心臓を高鳴らせた。
私たちが別れたのは行く先が違っていたからであって、気持ちが離れてしまったからではない。
沸々とこみ上げてくる浮足立つ気持ちは手に現れ、私たちは指を絡ませて、その体温を感じ合っていた。
見つめ合う視線は、とても熱い。

「葉月…この後って…」

店を出ようと提案したのは、ほぼ同時だった。

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