無口な無藤君が喋る時 (Page 4)
「聞いてな……あ、あぁっ?!」
いつの間にかゴムを着けた無藤君は私の中に入ってきた。
欲しかった熱が私の身体を掻き分けながら、奥まで進んでくる。
もうぐしょぐしょになっていたのもあるけど、無藤君が優しく進んでくれているから痛くない。
「ゆかりって普段けっこうお喋りでしょ。でも何か指摘された時とか、本心を言い当てられた時とか、黙っちゃうじゃん」
一番奥まで届いた無藤君を感じながら、私は無藤君の顔を見る。
私を今支配している無藤君は、私の足を撫でながらゆったりと微笑んでいた。
「そういうところ、けっこう見ててさ。あー、可愛いなって思ったんだよね」
可愛い。
無藤君から初めて聞いた私に向けてのその言葉に、思わずキュンとしてしまった。
「くっ……ほんと、わかりやすくて好きだよ」
無藤君の顔が一瞬歪む。
それから腰を引いて、一度打ち込んできた。
「ぅあっ」
「いつも騒々しいくらいの子がさ」
二度目。
今度は奥深くでぐりぐりと腰を左右に揺らしている。
「あっ、や……あ」
「顔真っ赤にして黙っちゃって」
三度目。
すごくゆっくり引き抜いて、またゆっくりと押し戻されて、圧迫感をすごく感じる。
「ふっ……んぅ、ん……」
「そのギャップがたまんないよね」
それから無藤君は一定のリズムで私に腰を打ち付け続けた。
奥まで責め立てられ、浅いところも擦られ、私は快感でわけがわからなくなる。
私の中が無藤君で満たされていく。
「あ、やだ……むとう、くっ、んんっ……あ、あ……」
「いつも大きい声出したりしてるのに、セックスの時だけ声が控えめになるのも可愛い」
そんなこと言わないでよ、またキュンキュンってしちゃうから。
「だからさ……そんなわかりやすく締めないでって……」
無藤君も余裕がなさそうだ。
だんだんと腰を打ち付けるペースも早くなってきている。
「無藤君……好き、好きっ……」
「オレも好きだよ。ゆかり、好きだ……」
お互いに貪るようにキスをして、私たちは一緒に達した。
私の中でゴム越しに無藤君の熱が大量に出ているのがわかる。
無藤君とのエッチはいつもすごく気持ちよくて、とても満たされる感じがする。
それに今日は、付き合って三か月目にしてようやく告白を受け取ってもらえた真実も知れた。
「無藤君」
「何?」
後処理をして私の身体を撫で続ける無藤君がきょとんとして私を見る。
「……大好き」
そう伝えると、無藤君は私に覆い被さるように抱き着いてきて、キスをしてきた。
「オレも大好き」
普段は無口な無藤君が喋る時。
この惚気はまだ誰にも話せそうにないし、誰にも教えたくない。
Fin.
キュンでした。
エッチの時の掛け合いがとてもキュンキュンして良かったです。
2人のお喋りと無口の切り替わりポイントがたまりません。
二矢 さん 2020年6月8日