無口な無藤君が喋る時 (Page 2)
「お昼一緒にいた人、誰?」
二人で寝転ぶにはちょっとだけ狭いベッドに並んで横になっていると、スマホをいじりながら無藤君が私に訊ねる。
「ああ、あの子は白崎理子。私の小学校からの友達」
「へえ」
会話終了。
普段の無藤君との会話も大体こんな感じですぐに終わる。
会話のキャッチボールなんて知るかって感じ。
「いつもお昼一緒なの?」
あれ、一つの話題に二言以上言うなんて珍しい。
「うーん、そうだね。大体いつも一緒かな」
そう答えると、ふーんと興味がなさそうに返事をしながら無藤君はスマホをベッドボードに置く。
それから私のスマホを取り上げて、それもベッドボードへ。
「あ、ちょっと。今理子とラインしてて……」
「もういいでしょ。今はオレとの時間」
あ、きた。
私の髪の毛を少し避けて、隠れていた耳に唇を当てる。
耳に沿ってキスを落として、それから私の耳の中へ向けて無藤君は呟いた。
「抱かせて?」
ぶるりと身体を震わせてしまう。
無藤君て、実はとっても声がいい。
声優さんなんじゃないかってくらいに声がいい。
それをこんな甘ったるく呟いてくるんだから、頷くしかない。
「オレのこと話してたの?」
私の身体を撫でながら無藤君は質問をした。
無藤君と反対側を向いていた私の脇腹を撫でて、そのままシャツの中へ手を忍ばせてくる。
細くて長い指が私のお腹を撫でて、今一番キュンキュンと反応している下腹部を、ゆっくりと円を書くように撫でた。
「う、ん……無藤君とのこと、全然惚気ないよねって……」
「なんで惚気なかったの?」
お腹を撫でていた手はそのまま上ってきて、下着をつけていない私の下胸に触れる。
ふにふにと指を埋めて、そのまま輪郭に沿って指を這わせ、優しくやわっこく揉み始めた。
「ん……ふ……」
「ねえ、黙ってないで教えてよ。なんでオレとのこと、惚気ないの?」
教えられるわけがない。
エッチの時になると、やたらお喋りになる無藤君のことを話せるわけがない。
普段あんまり喋らないからそのギャップにすっかりやられてしまった私の惚気なんて、話したらキリがないし聞かせたくない。
「それともオレとのことなんて、惚気る必要ないと思ってる?」
「や、ちが……ん……」
なかなか一番気持ちいい刺激をくれる乳首を触ってくれない無藤君。
ずっと乳首の周りを指先でくるくる回って、胸を優しく撫で上げるだけ。
けっこう焦らされてるから、乳首が張り詰めてきてちょっと痛い。
キュンでした。
エッチの時の掛け合いがとてもキュンキュンして良かったです。
2人のお喋りと無口の切り替わりポイントがたまりません。
二矢 さん 2020年6月8日