新しい弟と私の性事情の話。 (Page 2)

「わ、私だって高校生の時に元カレと済ませてますしお寿司…!」

咄嗟に出たでまかせのエピソードを膨らませて、追加で質問されたらどう答えようかと思考を巡らす。しかし、意外にも弟からの切り返しはなかった。それどころか…

「えっ…マジで…?」

真顔になり、相当なショックを受けているようだった。つい先日、弟の好きなゲームの推しキャラがストーリーの都合上退場してしまった時の状態とよく似ていた。

「どうしたの、急に静かになって…」

「マジか…そうなのか…」

弟は震える手でタバコに火をつけようとしたが、

「ちょ、タバコ逆さだぞ!」

「へ?あ、マジだ…あぁ…」

咥え直し火をつけ、溜息まじりに煙を吐き出した。

「はぁ〜〜〜…マジかぁ〜〜〜っ!セックスしたのか…俺以外の男と…」

「うっは、それ何のゲームのセリフだっけ?懐かしい!ウケる〜っ!」

「全然面白くねぇよ…」

少し前に流行ったゲームのオマージュしたセリフを呟くものだから、このネタを言いたいがための長い前フリだったのかと思ったが、弟は項垂れたままだった。

「なぁ、マジで処女じゃないの?」

「くどいぞ処女厨…さすがにそこまで凹まれたらひくわ…」

「だって…」

今にも泣き出しそうな弟に、どうすればいいのかわからなかった。何がそんなに悲しいのだろう。

「姉ちゃんの元カレをどうにかしてやりたい…」

「物騒なこと言わない!」

存在しない元カレをどうにかされる心配はないが、何かをしでかしそうな弟の態度に不穏な空気が流れる。

「因みに今彼はいないってのは嘘じゃないよな?」

「え?まぁ、それはそうだけど…?」

「クソっ、こうなったらせめて上書きしてやる!」

弟はタバコの火を灰皿に押し潰してから消すと、私の上に乗り掛かってきた。超展開に頭がついていかない。

「あいたたっ!何すんのよ!」

「何するって、セックスだよ!」

「はぁ?!アンタ馬鹿ぁ?!」

「馬鹿で結構!エロ同人みたいにしてやる!」

冗談ではないらしく、目が本気だった。その眼光にたじろぎ、抵抗できず無理矢理ディープキスされる。アルコールとタバコの味がする唾液を飲まされて、頭の中がぐるぐるとなった。

「ぷはぁっ、ちょっとぉ!ルルたん一筋だったんじゃないのぉ?!」

「推しと好きな人は別に決まってんだろ?!」

着ていたTシャツが捲られ、お世辞にも大きいとは言えない胸があらわになった。あとは寝るだけのつもりだったから、ブラジャーなんて着けてない。

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