かっこよくなった後輩との突然の再会。友情を取り戻したと勘違いした私が酔って隙だらけになりとった行動に、彼は我慢できなくなって… (Page 2)
「きゃっ」
ぐるっと壁が一回転した。
「いったぁ、もぉ、お酒回っちゃうじゃん」
文句を言う私をかまいもせずに、芳人は腕を掴んだまま、仰向けになった私を見下ろした。
まったく身動きが取れないことに気づいて少し焦る。
「ちょ、ちょっと、ふざけないで」
私はつかまれている腕に力を込めた。
『これでもワンコなわけ?』
抵抗する私に芳人はピクリともしないで、私を見つめている。
「わかった。ごめんね、許してください。へへへ」
酔っているせいで笑い方がだらしなくなる。
『ひな…好きなやついる?』
「今、そんな話…」
もぞもぞと脱出を試みる私に芳人は言った。
『俺はずっと、ひなだけだよ』
高校の卒業式。
ずっと好きだったって芳人から告白された。
忘れたことはないけど、もう昔のことだ、今だってそう思っていた。
「ずっとって、なわけないよ。へへへ」
だって当時の私は冷たく芳人を突き放し、あっさり振ったのだ。
「芳人のことは好きだよ?でも、私たち友達じゃん。てゆうか、弟みたいにしか思ってない」
それを聞いて半べそをかいてた芳人の頭を、その時も私はくしゃくしゃに撫でようとして睨まれたんだっけ?
『ちゃんと聞いて』
「え~?」
すっかりたくましくなった芳人は首を傾げながらゆっくりと言う。
『身長も伸びたし、体も少しは鍛えたつもり。ほら、ひなの力じゃ全然動かないでしょ?』
彼の唇が弧を描いて、私は顔が熱くなるのがわかった。
ここまでされてようやく私は、芳人に男を感じ始めていた。
「わかった。痛いよ、手ぇ放して」
芳人は急にシュンとして、ゴメンと手を放した。
でもまだ体はピッタリ密着したまま動いてくれない。
私は解放された手をどこに置くべきか迷っていた。
「ねぇ、どいて」
『さっきの質問に答えるまで、このままだよ』
悪戯っ子みたいな顔になって芳人は動こうとしない。
「好きな人?ん~そうだな…」
そして私はある一点に目が吸い寄せられた。
それは私の目の前で動く彼の唇だった。
まるでリップを塗ったみたいにピンク色でてらてらと光っていて、ぷにぷにしてて、触ったら気持ちよさそうなのだ。
『こーたーえーろー』
芳人が何か言っているのにもかかわらず、どうしても我慢できずに、思わず指で下唇に触れた。
ビクッと驚いた芳人は、大きなため息をついた。
『…ねぇ?今のは、ひなが悪いんだからね』
「へ?何っ」
次の瞬間、芳人の唇が私の唇と重なり、同時にぷにぷにとした感触で迫ってくる。
私の下腹部がキュンと音を立てて、ピンクのぷにぷにをもっと味わいたくなった。
目を閉じることも忘れて、舌で彼のピンク色の唇を舐めた。
この感触、なに?あむあむあむ
『ちょ、ひなちゃん?なにしてんの?』
芳人がぷっと笑う。
「芳人の唇、感触が、なんか気持ちいい」
『ばか。そんなこと言ってると、こうだぞ』
こんどは芳人が私の唇をハムハムしながら舌を侵入させた。
その柔らかさと熱さに私は夢中で舌を絡め、口を半開きにして彼の舌を受け入れる。
「んぁっちゅ…ん、ん」
『ひな、なんかエロい…』
「だって気持ちいいんだもん、っぅん…んん」
部屋に響くリップ音がいやらしく聞こえる。
私はキスがやめられずに、空中を泳いでいたはずの手は芳人の背中をまさぐっていた。
レビューを書く