年上の初恋相手はまさか (Page 3)

くちゅ、と音がする。

私は自分の口を必死に抑えていた。

そうしないと変な声が出そうで。

「大丈夫?」

貴之さんが心配そうにそう言って指の動きを止める。

私は必死に何度も頷いた。

けど実際は全然大丈夫じゃない。

だってそんなところ、自分でも触ったことがない。

貴之さんは、そんなところに指を入れて、中をかき回して。

正直、異物感がすごい。

知識としては知っていたけど、実際はこんな感じなのか、と頭の中で冷静に考えている自分もいる。

性行為、というのは、これから、貴之さんの、ものを、私が受け入れる、ということ。

指一本でもこんなになっているのに、本当にできるんだろうか。

「キャッ!?」

急に変な感覚が襲って、私は驚いて足を閉じてしまった。

顔を挟まれた貴之さんが困った顔をしているのを見て慌てて開くも、貴之さんが顔をうずめている場所にまた驚いて、恥ずかしくなった。

貴之さんに、舐められている。

汚くないのかなというのが一番に浮かんで、でも何度も同じところを舐められるうちに、そんなことを考える余裕もなくなる。

なんだかよくわからない感覚が背中をぞくぞくと這い上って、脳が痺れるような変な感じ。

気持ち、いい、のかな。

何も考えられなくなる。

「あっ、んぅ……やッ!」

声が全然抑えられなくなって、私はなんとかシーツを掴んで耐えようとする。

こんな声、今までに出したことない。

恥ずかしい。

でも抑えられない。

「た、ゅきさっ、ぁっ」

だんだん頭の中が真っ白に染まって、それが限界まできて、

「……ッ!」

何が起きたかわからないままに、私はただ息を荒らげることしかできなかった。

「優里ちゃん」

貴之さんは舐めるのを止めて、私の名前を呼ぶ。

「気持ちよかった?」

貴之さんの言葉をぼんやりと頭で考えて、たぶんそうだったんだろうな、と思ってこくりと頷く。

貴之さんはよかった、と言って私の隣に寝転ぶと私を抱きしめる。

そうしてぽんぽんと頭をなでて、ゆっくりおやすみ、と言った。

私は、まだと思って、でもなぜか本当に疲れていて、うとうとと眠りに落ちる。

「今度はちゃんとさせてもらうよ」

最後に貴之さんが何か言ったのが、聞こえたような気がした。

Fin.

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