年上の初恋相手はまさか (Page 2)
人生で初めてのデートで私はずっと緊張しっぱなしだったけど、貴之さんは慣れたようにエスコートしてくれて、年上なんだなあと思った。
同時に、他にもこういうことした人がいるんだろうな、と思って少し胸がちくりとしたけど。
お茶をした後は映画を見て、夕食を食べて、少し散歩をして。
色々話してくれる貴之さんの表情を見ているだけで楽しかった。
「優里ちゃん」
ふと目が合う。
私はずっと貴之さんの顔を見ていたから、急に恥ずかしくなってぱっと前を向いた。
「え……」
そこはホテル街で、私は思わず呆然とした。
貴之さんは無言で私の手を引いてホテルの一つに入っていく。
そのまま部屋に入って、気づけばあっという間にベッドに押し倒されていた。
「貴之さん……?」
戸惑っている私に貴之さんはごめんね、と謝ってから軽く唇を合わせた。
ファーストキスと思う間もなく、もう一度、もう一度と合わせられて、私はどうしていいかわからずにぎゅっと目を閉じていた。
「優里ちゃん、僕がどうして会うことにしたかって聞いたよね」
ようやくキスが止んで、私は荒くなった息をなんとか整えながら貴之さんの言葉を聞く。
貴之さんはじっと私の目を見て、
「僕もずっと優里ちゃんのことが好きだったからだよ」
その言葉に頭が真っ白になった。
貴之さんが私のことを好きだった?
本当にそんなことがあるのだろうか。
本当だったら、とても……嬉しい。
「優里ちゃん!?」
貴之さんが慌てたように私の名前を呼ぶ。
私はしゃくりあげながら、なんとか嬉しいと伝える。
貴之さんはゆっくりと頭を撫でてくれる。
その手の温かさにだんだんと落ち着いてくる。
貴之さんは、それを見て、
「ごめんね」
そう言って、私の上にまたがった。
同時に、ここがどういう場所なのか思い出して顔に熱が上る。
「貴之さん、私……」
「今日会うって決まった時からずっとこうしたいと思ってた。でも……」
貴之さんは少し表情を曇らせて、
「優里ちゃんが怖いなら、今日は何もしない」
貴之さんはそう言って、そっと私の頭を撫でる。
でも。
私は。
「……貴之さんになら、いいです」
怖くないわけじゃなかったけど、それでも貴之さんとなら。
貴之さんは、嬉しそうにはにかんで、ありがとうと言った。
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