優しい社長のドS調教。溶かされた身体は玩具よりも… (Page 3)

予想通り、社長の車は閑静な高級住宅街に入り低層マンションの駐車場に入っていった。

私なんかがお邪魔していいのか…と思うものの、ご機嫌に鼻歌までこぼす社長に何も言えず、私は助手席から降りる。

「ゆかりちゃん、こっち」

嬉しそうに私の手を掴み、マンションのエントランスに向かう社長。

さりげなく荷物を持ってくれる優しさにときめきが止まらない。

「おかえりなさいませ」

エントランスに入るとスーツを着た男性に迎えられる。どうやら「コンシェルジュ」らしい。聞いたことはあるけれど、正直よくわからない。

社長は軽く「ただいま」と返すとそのままエレベーターに乗り込んだ。

社長の部屋は最上階にあたる6階だった。

驚いたのは、エレベーターを降りるとすぐ目の前に玄関が広がっていたこと。このマンションは1フロアに1部屋しかないそうだ。

「高層マンションに住んでいたこともあるんだけどエレベーターの移動に時間かかるのが嫌で引っ越したんだ」

ーーもはや、異世界…。

与えられる情報にドギマギしながら、私は社長宅にお邪魔した。家の中でも手を引かれ、リビングのソファに連れていかれる。

「夕食の準備するから、いい子で待っててね」

ソファに大人しく座る私の頭を社長はその大きな手で撫で、キッチンに消えていった。

握られた手も、撫でられた頭も、髪の先までも熱くなってしまう。

ーーお、落ち着け!佳月専務の代わりなだけ!

そう、余ってしまうローストビーフの処理班として呼ばれただけだ。

社長があまりにも丁寧に私を扱うから、全くどきどきが止まらない。勘違いしないように、私は懸命に自分の心を落ち着かせた。

しばらくすると、社長に呼ばれ私はダイニングテーブルに向かう。

「わあ!」

用意されたローストビーフは有名レストランのように美しく、他にもカルパッチョや名前のわからない前菜が並べられていた。

「喜んでくれてよかった。これ、今日開けようと思ってた赤ワイン、一緒に飲もうね」

「ありがとうございます!」

至れり尽くせりの料理たちに遠慮の2文字が飛んでいき、私は思いっきり社長のお手製料理に食いついた。

「お、おいしすぎる!」

どれもお店に出せるほどのおいしさで、赤ワインとの相性も抜群。私はどんどん料理もお酒も胃の中に収めてしまった。

「ゆかりちゃんは美味しそうに食べるね。可愛いな。…飼いたいなぁ」

「へ?」

ニコニコと食べる私を見る社長の口から「飼いたい」と聞こえたような気がした。お酒でぼんやりとした頭に、その一言がこだまする。

「しゃちょーはペットがほしいんですか?」

舌足らずに聞くと、社長の目がぎらりと光ったように見えた。それは一瞬で、すぐに優しい微笑みに戻る。

「うん、結構前から欲しいなって思ってたんだ。最近やっとなついてくれて、もうちょっと頑張ったらお迎えできるかもしれない。小さくて、色素が薄い子でね。髪や瞳が光のあたり具合で金色に輝くんだ」

社長の嬉しそうな声に「そうなんですねぇ」と軽く答える。話し方から察するに社長はペットを子どものように可愛がる主人なようだ。社長に愛情をかけられるペットが羨ましいなと思いつつ、新しいグラスに注いでくれた白ワインに口をつける。

フルーティでこれまた飲みやすい。

「これもとってもおいし…あれ…」

身体がぐらりと揺れ、力が入らない。急激な眠気に私は耐えられず瞼が下がっていく。目を閉じる瞬間に社長の恍惚とした顔が見えた。

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