優しい社長のドS調教。溶かされた身体は玩具よりも… (Page 2)
自社ビルから出てしばらく歩くと、私はハザードを出して道の端に止められた車に目が止まった。
ーー社長の車にそっくり。
私よりも先に出たはずの社長。何か忘れ物でもしたのだろうか? と心配になり、小走りでその車に近づいた。
車の中からも私が見えていたのか、ゆっくりと窓が開く。
ーーやっぱり、社長だ。
「社長、何か忘れ物ですか?」
私は窓から困ったように顔を出した社長に話しかける。
「忘れ物ではないんだけど、今日の予定が急に中止になっちゃって」
「佳月専務とのお食事でしたよね…?」
社長の今日の夜のスケジュールは、かすみさんの旦那さんとの食事だった。仕事の予定として入っていたが、仕事の話が終わった後は友人として気の置けない時間を過ごす予定だったのだろう。
ーーでも、かすみさんは何も言ってなかったけど…。専務、急用でもできたのかな。
「でさ、このまま一人家に帰るのも寂しいなって。ゆかりちゃん、今日予定ある?」
「え?」
一瞬何を言われているのかわからず、固まってしまう。
「もし、ないんだったら僕と食事でもどう? 達也が食べたいって言ったからローストビーフ仕込んじゃってるんだよね」
「わ、私ですか!?」
驚く私に、社長は優しく頷く。
「無理には言わないけれど…」と言ってくれた社長に、考えるよりも先に「行きます!」と私は答えていた。
私が助手席に座ってシートベルトをしたのを確認すると、社長は車を発進させる。
私はチラリと横目で社長を見た。
雑誌でしか見たことがないような美しいEラインの横顔。
仕事の後だからかジャケットはすでに脱いでおり、シャツは捲られていた。筋張った腕から男の色気が感じられる。
そして、どきどきしすぎてふわふわになった頭の中で、一つのことに気づく。
ーーあれ、もしかして、社長のご自宅に向かってるんじゃ…?
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