初恋の幼馴染からの告白。両思いの夜は甘くとろけて

・作

優弥と私は小学校から一緒の幼馴染。まさか大学まで一緒になるとは思わなかったけれど、気のおけない家族のような存在だ。今日も私の一人暮らしの部屋に優弥が泊まりにきていた。飲み会が遅くなると優弥は大抵私の家に泊まりにくる。しかし、今日はなんだか優弥の様子がおかしくて…。気づいたら私は優弥にドロドロに溶かされていた。

『今日も泊まらせて』

お風呂も上がり、ほっと一息ついた午前0時。幼馴染である優弥からメッセージが入った。

何も考えることなく『いいよ』と返信する。

小学三年生のときに隣家に引っ越してきた優弥。私とは中学、高校、大学まで一緒のいわゆる幼馴染だ。

大学四年になった私たちは、就活も終え卒論を仕上げながら仲間たちとの飲み会に日々参加している。

優弥が一人暮らししている家よりも私が住む部屋の方が大学に近く、また叔父が所有するこのマンションは広々としていて優弥は度々飲み会で遅くなると泊まりたがった。

男性を泊めることに最初は「いいのかな」なんて思ったりもしたけれど、「優弥だし」といつの間にか抵抗感もなくなっている。

ーー優弥も彼女がいるときは来ないし。

ふわふわの茶色の髪にくりっとした目。某アイドル事務所にでも入所できるのではないかと思うほどの甘い顔立ち。サッカーもしているからか身体も引き締まっており、小学校から優弥はモテにモテていた。

かく言う私も、思春期の初めの頃は優弥に淡い恋心を抱いていた。しかし、優弥が中学のときに学年で一番可愛いと言われていた女の子と交際を始めたことで自分でも驚くほどあっさりと冷めてしまった。

その経験から私は「好き」の気持ちがよくわからなくなってしまい、以来恋愛というものをしたことがない。

来るもの拒まずな優弥を見ていると尚更、火遊びみたいな恋をして何の意味があるのかわからなくなってしまったのだ。

ーー付き合ってすぐ別れるなら、時間の無駄じゃない?

しっかりと「好き」と思える相手と長く恋を育みたい。

ーーそんな人が現れるかわからないけれど。

でも、社会に出たら年齢問わず多くの人に出会うはず。その中で、この人!と思う人に出会うかもしれない。

そんなことを考えながら、優弥が泊まる準備をしているとインターホンがなった。意外と近くで飲んでいたようだ。

ドアを開けると、ほんのり顔が赤くなった優弥が立っていた。

「ただいま〜」

「おかえり。最初にお風呂入っちゃって」

「うん」

まるで自分の家のように振る舞う優弥だが、私もそれが当たり前のように返す。10年以上も一緒にいれば家族のようになるものだ。

ふらふらとしながら靴を脱ぎ、そのまま風呂場に向かう優弥。

連絡をもらってからすぐに入れ直した湯は気持ちいいはずだ。

風呂場から鼻歌が聞こえてきて、今日はさぞ楽しい飲み会だったのだろうと私も嬉しくなった。

それからしばらくしてサッパリした優弥と「乾杯」といつも通りリビングで飲み直す。

秋も深まってきており、網戸にした窓から気持ちいい風が吹き込んでいた。

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