隣に引っ越してきた好青年を怒らせてしまった私は、彼の部屋に引き込まれて、玄関で無理矢理… (Page 2)
「…はーい」
そう小さく返事をして、私は玄関へ向かった。
ドアモニターを確認すると、秋月君の姿が映っていて、思わずギクッとしてしまった。
今は話し辛いな…。と思いつつも、私は平然を装いながら玄関扉を開けた。
「あ、薫ちゃん。こんばんはー」
秋月君はそう言って、いつものように爽やかな笑顔をみせてきた。
「あ…秋月君。どうしたの?」
私はなんとか笑顔を作ってそう返した。
「ごめんいきなり。バイト先で余った惣菜もらい過ぎちゃってさ。薫ちゃんよかったら貰ってよ」
秋月君はそう言って、お惣菜やお弁当の入った白いビニールの手提げを差し出してきた。
お弁当屋さんでバイトしてるって、この前言ってたな。
「…ありがとう。今度お礼するね」
私はそう言って、手提げ袋を受け取った。
「いいよそんなの、タダだし。食費浮くの助かるよね」
そう言って明るく笑う秋月君は本当にいい人で、なんだか胸が痛んでしまう。
「あのさ、夕飯まだなら、ウチで一緒に食べない?」
そう言われて、正直困ってしまった。
「えと、レポートまだ終わってなくて…。ごめんね」
そう言って、私は思わず目を逸らした。
「…そっか。いいよいいよ!こっちこそごめんねいきなり。おやすみ」
「うん…、おやすみ」
そう笑顔で返したけど、最後まで秋月君の目をちゃんと見れないうちに扉が閉まった。
その翌日から私は、朝家を出る時間をズラしたり、食堂に行かなくなったり、秋月君を避けるようになってしまった。
そして、秋月君と会うことがないまま数日が経った。
ある日のデート帰り、彼氏に車でマンションの前まで送って貰った。
「今日ありがとう。家についたら連絡してね」
車から降りて、私はそう彼に手を振った。
「うん、電話するよ。じゃあまた後でね」
彼にそう微笑まれて、幸せなような寂しいような気持ちで胸が締め付けられながら、彼の車が見えなくなるまで見送った。
次会えるのは、また来週かぁ…。
そんなことを考えながらマンションの正面玄関に向かおうとすると、玄関前で秋月君がじっとこっちを見ていてドキッとした。
「秋月君…。こんばんは。偶然だね」
平然を装いつつそう話しかけると、彼はニッコリと微笑んだ。
「うん、今バイト終わった帰り」
そう言われて、私は「そうなんだ」と言って笑い返した。
秋月君もエレベーターの方に歩き出して、一緒に帰るんだなと察した私は、秋月君と並んでエレベーターのボタンを押した。
「今の誰?」
突然そう聞かれて、何故かビクッとしてしまう。
「…えっと、彼氏」
なんとか平然を装ってそう答えた瞬間エレベーターが開いて、どちらともなく私達はエレベーターに乗り込んだ。
エレベーター内の沈黙が気まずい。
でも何も話す事が思いつかなくて、私は壁を見つめながら早く目的階に着くことを願った。
これって
勘違いする男って居るけど
犯されて濡れる女性心が悔しい
その後の話が読みたいなー
やっぱ強い男には負けるのね
真由 さん 2022年9月24日