左手の薬指からはじまるイケナイこと (Page 5)

「マユミさん、こっち」
絡ませた手を握り直し、公園の隅の木の側に連れて行かれる。

火照った顔をリョウタの手が優しく撫でる。
ひんやりしていて気持ちいい。
思わずうっとりと目を細めると無防備な唇にキスをされた。

「マユミさん、すごく可愛い。ずっと好きでしたけど、今日はほんと、特別可愛い」

左手は絡ませたまま、ぐっと抱き寄せられる。
リョウタの胸は大きくてあったかい。
耳を近づけると、心臓の音がドクンドクンとうるさく鳴っていて、リョウタがとても愛おしくなった。

「今だけ、今だけでいいんで僕に没頭してください?」

耳元で囁かれ、身体の奥がきゅうんと疼く。
大きな手が服の下にするりと入り、マユミの肌を滑っていく。
恥ずかしいくらいに身体中火照ってしまい、なおさら少し冷えたリョウタの手の感触が心地よい。

下着のホックを外され直接敏感な部分へと指が近づいていく。
もっと触ってほしい。けれど触れられたらおかしくなってしまいそう。

先程からリョウタの指は乳輪を爪の先で滑っていったと思ったら、まるで寄せては返す波のように、外側から中央へ行ったり来たりしている。

「…んっ」

「こーら、マユミさん、静かに」

わざと私の反応を見るために意地悪しているであろうリョウタは、緩急をつけて、強弱をつけて私の乳首を弄んでいる。
どうしても意識がそちらに集中してしまい、身体がむずむずと疼いてくる。

もっともっと私の奥を触ってほしい。
海の潮が満ちていくように身体の底から湿り気が出てきて今にも溢れ出しそうだ。

「マユミさんはよく鳴くなあ、気持ちいいんだね」

そうリョウタは意地悪に言い、猿ぐつわのように口に太い指をあてがった。
少し塩味のある指は私の口内をふにふにくるくると掻き回している。
溢れてくる唾液と共にその指をちゅぱちゅぱと吸う。
ただの指、なのにとてもいやらしいことをしている気分だ。

上半身と違い全く刺激を受けていない下半身がガクガクするくらい、リョウタのすべてを欲していた。

「さて、と」

これから一体どんな快楽が待っているんだろうか。
そう思ったところでリョウタが私の下着を付け直し衣服を整えさせた。

「え…?」

ぽかんとする私をまた抱き寄せ愛おしそうにキスをすると、耳元で数言囁き「さあ、帰りましょうか」と公園の出口へと促した。

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