思い出の場所でかつて好きだった人と (Page 3)
「まだ胸しか触ってないのに、濡れすぎ。やらしいね」
「耳元やめて…」
「へえ、耳も弱いとか。エロい」
耳を甘くかまれて、大きな声が出そうになるのを抑えるため。きゅっと唇を噛んだ。
「噛むなよ、切れる」
「でもぉっ」
「ずっとキスしてよ。そしたら、声も出ないから」
返事も聞かないうちに唇を塞がれた。それとほぼ同時に蜜壷に長い指が挿入された。刺激に目の前がチカチカした。くっと中で曲げられ、一番感じる所を擦られる。
「んっ、はあっ、はっ、んんんっ!」
「締めすぎ」
「んぁ、気持ちいい…。はっ、はあ、んっ」
にやりと笑ったかと思うと、グッとクリを擦られる。びりびりっ痺れる快感が背筋を駆け抜ける。クリを捏ねられて頭の中がスパークして思考が溶ける。強すぎる快感に震えるしかできない。その時パタパタッと足音が聞こえた。一気に意識がさえた。やだ、誰か来た。お願い早く通り過ぎて!
「笹原っ」
「シーッ」
そう言っておきながら、グッと指を三本に増やされバラバラにこすられる。口からもれかけた嬌声を笹原の唇が飲みこむ。やがて、足音が遠ざかっていく。
「いじわる…」
「スリルに感じた?すんなり三本も飲みこんで、もっともっとって締めてくるし」
感じてないというと嘘になる。見つかるかもしれないというハラハラ感に何とも言えない快感を感じたのは確かで、何も言えずに口ごもったのを笹原は肯定とみなした様だった。
「んんぅっ、っっぁ!また、そんなっ」
激しく指を出し入れされ、イイ所を重点的にこすられ、一度はさえた意識がまたかすみはじめる。笹原にキスをねだると噛みつくようにキスされる。指を一気に抜かれその刺激に一気に絶頂まで上り詰めた。
「んんんぁっっ!はあっ」
「軽くイッた?とろけた顔しちゃって。俺も限界」
固いものが入り口をなぞる。先から言おうと思ってたことを口にする。
「ね、名前呼んでよ、琴原じゃなくて。お願い」
「夏奈」
自分の名前がこんなに大切な欠片のように呼ばれたことがあっただろうか。何度も聞いた自分の名前が特別な響きを持つ。
「好きだよ夏奈」
その言葉と共に笹原のモノが私の奥を穿った。
全部良かった
やっぱり、全部良かったです。
鈴木 さん 2022年7月20日