私を目覚めさせてくれたのは、オンラインサロンの女性チーフでした (Page 2)

「あの…下着って、いつも迷ってしまって。どういうものが、喜ばれるのかなって」
「自分が気に入ったものを着るのが一番よ。自分をどんな風に見てほしいか、あるいは自分をどんな風に魅せたいか。その辺りを軸に、まずは質の良いものを選んで」

自分で選択し、安物で済まさない。そうすることで、少しでも自信を手にいれる。それからセクシーランジェリーは相手側の期待値をあげてしまうので、セックスそのものに余裕がないうちはお勧めはしない。イベントごとや、勝負服として使用するに留めておいた方が無難。そんなるり子さんの話を聞きながら、私は緊張に胸を高鳴らせていた。

「千奈美さん、自分の体に自信はお持ち?」
「いえ…それほど。体型は標準程度ですが…特別に魅力的なところはないと思いますし」
「セールスポイントは、自分でつくるものよ」

ボディメイクのための運動やマッサージ、サプリメントやクリームなど。るり子さんは決して押し付けがましい感じではなく、あれこれと教えてくれる。手を出せそうなものから始めて続けてみたら、と私の背中をそっと押してくれた。

「乳首とか、あの…性器の、色とかも気になって」
「そんなの十人十色よ。確かに適切なケアはした方がベターだとは思うけれど、ね」
「前に付き合っていた人から、冗談半分で指摘されたりとかもありまして」
「デリカシーがないわね。千奈美さんの体を揶揄(やゆ)する権利は誰にもないのだから、そんなの気にしちゃ駄目よ」

ブラジャーを外され、露わになる私の胸元。優しく撫でてきたるり子さんの手のひらは温かく、そして瑞々(みずみず)しくて滑らかだった。ぷく、と形を変えた私の乳首がピンと尖り、るり子さんからの愛撫を待ち侘びる。

「千奈美さん。緊張されているのだろうけれど、私のことも触っていいのよ。一緒に、しましょう?」
「…はい」

るり子さんの肌は、とにもかくにも柔らかかった。そして、ふんわりと漂う芳香。私がその甘い匂いについて問えば、彼女は小さな香水瓶を取り出して微笑んでいた。

「これね、千奈美さんも使ってみる? 大丈夫、怪しいクスリとかじゃないから。媚薬、みたいなものだと思って」
「媚薬…ですか」
「そう。気分をムーディーに盛り上げてくれる、大人のアイテムよ」

るり子さんと同じ香りを身にまとえば、何故だか私も女としての格が一段上がったような気さえした。鼻から抜ける馨(かぐわ)しい、フラワーブーケの中心にでもいるかのような感覚。不安がじわじわと氷解し、それに取って代わるように甘い肉欲が頭をもたげていく。

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