配達員の男性と、玄関先で…
主婦である佐竹優子は、定期的に自宅へと訪れる配達員・深山に情欲を募らせていた。夫の転勤を機に越してきたこの土地に知り合いはおらず、さらに夫とはセックスレス。深山を想って自慰を繰り返していた優子だったが、ついに我慢できなくなった彼女は悩殺的な格好で深山に迫ってしまい…
木曜日の午後3時。毎週この時間になると、私はソワソワと胸を高鳴らせていた。理由は、待ちわびている人が来るから。
「いつもお世話になりま~す!」
インターホンの音に応えて玄関ドアを開ければ、聞き慣れた爽やかな声と笑顔。彼の名前は深山さん。食材や日用品を定期的に購入している会社で、我が家周辺のエリアを担当している配達員だ。
「あの、これ…よかったら」
「すいません、わざわざ…ありがたく戴きます!」
私は用意しておいた差し入れの缶コーヒーを手渡して、頼んでいた品物を受け取った。深山さんと私は単なる配達員と客で、それ以上の何ものでもない。けれども私は彼と『それ以上の関係』になることを強く望んでいた。
「また来週も、宜しくお願いしま~す!」
「ありがとうございました」
玄関の鍵を静かに閉めた後は、急いでベランダへと向かう。そうすれば、配送用のトラックに乗り込む深山さんの姿が見られるから。
「ンッ、ぁ…」
長身に浅黒い肌、まくり上げた袖口から覗く逞しい腕。ぱっちりとした人懐っこい顔立ち、それからエネルギッシュで快活な雰囲気。そのどれもが私の腹の奥に響いて、雌の欲望を刺激する。
「ぁ…ぁ…」
木曜日の午後3時過ぎ。ほんの数分にも満たない彼との逢瀬を思い出して、自慰にふけるのが私のルーチンとなっていた。夫とはセックスレスも同然で、ごくたまにする行為も単調で事務的になりつつあった。私たち夫婦には子どもはおらず、夫の転勤で越してきたこの土地には私の知り合いは1人もいない。
「あぁ…深山、さんッ…ンッン…イ、イクッ…!」
深山さんだけが、彼の存在だけが私にとってはオアシスでありエロスの源だった。
*****
「お米とお水、重いので。よろしければ、中までお持ちいたしますよ!」
「じゃぁ…お願いします」
今日の荷物は野菜やお肉のほかに、10kgのお米とペットボトルの水が2ケース。もちろん日々の生活に必要だからと購入したものだが、私にとっては彼を家の中へと誘い込む口実でもあった。
「あっ、す、すいません!」
商品を玄関先へと置いて立ち上がりかけた深山さんの肩が、私の胸へと触れる。そしてよろめいた私を咄嗟に支えようとしたのであろう、深山さんの腕がこちらへと伸ばされる。全て、計算通り。こうなるとわかっていて私は深山さんの間近に立ち、ぶつかられた衝撃でよろめいたふりをした。
「あ…あの、佐竹、さん…?」
「…優子って、呼んで」
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