あなただから…じゃあ、ダメ?
獣人と普通の人間が共存するこの世界。私は子供のころから家族ぐるみで仲が良かったクマのバールと恋人関係にあった。それだけで幸せだったが、初めてを済ませてないことがもどかしく、私は彼をホテルにこっそり連れて行ってしまう。
「バールっ!」
「どうしたの?」
この世界には獣人と呼ばれる獣の姿をしているが、人のように生きている者たちが存在する。
バールは昔から近所に住んでいるクマの獣人で、うちが養蜂場であることをきっかけに親しくなった。
今でも家族ぐるみでの付き合いがあり、お肉を分けてもらったりしている。
人によってはそういう獣人を差別する人たちもいるが、私はそんなこと断固反対だった。
だって、人も獣人も外見が違うだけで、何にも変わらないから。
「バール、すきぃ」
私はもふもふとしたバールの毛が大好きでたまらなかった。付き合い始めて1年。
温厚な性格の彼は、絶対に私に手を出してこようとしなかった。
私自身、そろそろ我慢しきれないものもあったが、バールとの愛を確かめ合いたいと思って今日はお出かけと称して行き先を伏せて誘ってしまった。
――そう、ホテルにだ。
「それで、今日はどこに行くの?君の行きたいところなら付き合うよ」
「まぁ、楽しみにしててよね」
私はそう言って、見ただけではラブホテルとわからない、ケモノOKのホテルの中へ2人で入っていくのだった。
*****
「えっ、ここ、ここっ…!」
バールは大きな体をのけぞらせるようにして、部屋を見回した。
ここがラブホテルであるということを、ようやく察知したみたいだった。
「ねぇ、バール…私たち、もう付き合って1年になるじゃん」
私ももう大学卒業間もない歳になった。
そろそろ、そういうことがしたい。大好きな人としたい。
「だから、ねぇ…お願い?」
バールは顔を真っ赤にさせて、私をそのまま大きなベッドへ自らの巨体とともに押し倒した。
*****
彼の体に抱き着くと、ちくちくとした毛がくすぐったくって、それでまた「ああんっ!」「ひゃっ!」「くすぐったっ…いっ!」と全身に快楽が走り、声をあげてしまった。
むくむくと彼のものはすぐに膨らみ、信じられないくらいに大きくなった。
「…挿れて?」
私がねだると、バールはうつむいて小さくこくり、と頷いた。
「痛かったら、すぐ言ってね…」
バールはそっと私を抱きしめると、小さく頭をなでてくれた。感謝の気持ちをどう表現するか悩んだんだろうな、と思って私もうれしくなって彼を強くぎゅうと抱きしめた。
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