いつもは穏やかな彼に縛られて、わたしは身をよじらせる。
「今日は縛ってみる?」いつもは穏やかで温厚な彼がわたしに冷たい目をむけてきた。「いつも感じてないだろ?好きなら感じろよ」なにやらわたしに怒っているようだ。手首と胸を縄で縛られる。するとわたしの肌はぞわりと粟立った。わたしは、なにやら感じたことのないような快感を抱いているようだった。
「今日は、縛ってみる?おまえ、いつも感じていないみたいだし。俺のこと好きなら感じろよ」
いやそんなことないって…。
感じてるのに…。
どうしてそんなこというの?
温厚と評判の彼が急に怖くなった。
*****
28歳。会社員の私は、彼と付き合って三ヶ月目。彼氏とは、週に一回程度デートし、おうちで、お酒とご飯を食べて…。
ドラマや映画を見ていちゃつきながら愛し合いセックスするという一般的なライフを送ってきた。
行為中、大好きな彼に見つめられてキスされて、抱きついて。胸を触られて。彼と密着し一つになることが幸せで仕方なかった。
それに不満など全くなかった。
なのに…。
彼は不満らしかった。
*****
彼が私を見下ろし、紐を見せつけてくる。
「こういうのお前好きそうだよね?今日は縛ってみようか」
いつものおだやかな彼は何処へ行ったのか。彼が、やさしさの欠片も無い低い声色で、じっくりと私を見つめる。
ゾワリと、肌が粟立つ。
わたしが彼の言葉に戸惑っていると、手を掴まれて、手首を紐で縛られた。胸の谷間と胸の上と下を紐で結ばれた。
小さな胸が、紐の圧によって狭い体積に収められ厚みを増す。胸が存在感を持つ。縄の間から顔を出すわたしの突起はもうすでに固くなっている。
彼に優しく、身体中をフェザータッチでなぞられて、太い指先で胸の突起を弾かれると体がビクンと跳ねた。
電撃みたいな快楽が走る。
彼がにやりと笑う。
「ちょろいな。おまえ。いつも感じてなさそうな、つまらなさそうな顔してたくせに。こんな顔もできるんじゃん」
「いつもそうしろよバカ」
怒気を含む声で言われわたしが謝ろうとしていると、目の前が真っ暗になる。
目隠しをつけられたようだ。
身体中縛られて身動きが取れない。
恐怖に駆られていると、耳元に吐息を感じる。
「ひゃ…、あ…」
わたしが、快楽に堪え切れず声を出す。
彼は低い声で、
「何?感じてるの?早くない?」
と責め立ててきた。
返事をできずにいると、口腔内を貪られた。
舌のあたたかな温度で口の中が蕩けていく。
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