バスで居眠りしたら、気持ちいい展開に!これってミステリー・エッチ・バス!?
最近配属された若手の路線バス運転手は私好みのイケメンくん。お近づきになったと思ったら、居眠りしちゃって乗り過ごし、なぜかエッチに急展開!ひょんなことから忘れ物の傘が大活躍。甘々な時間を過ごしたのに衝撃(?)のラストはちょっとしょっぱかったかな!?
「雨?」
さっきまでの好天が嘘のように夕暮れの空が黒く曇り始め、ポツリポツリと冷たい雫が落ちてくる。
優香はバス停への道を急いだ。
今日は傘を持ってない。
先週どこかで失くしたのだった。
持ち手のところが食品サンプルみたいなリアルなエクレアになっていて、かわいいお気に入りの傘だったのに…。
停留所に着いてすぐにバスがやってきて、幸い本降りになる前に乗ることができた。
あ!今日の運転手さんは沖田くんだ。
先月から配属になったイケメンくんで、たぶん、まだ30前の若手だ。
ネームプレートで名前だけは知っているが、挨拶もろくにしたことがない。
超~タイプなんだけど、彼女はいるのかな?
私みたいなちょい年増は守備範囲に入ってるかな?
あれこれ妄想しながら、空いてる席を見定めていると、不意に呼び止められた。
「お客様。あの…、この傘、もしかして…」
「あ!エクレア!それ…私のです」
「先週、停留所のベンチの下に落ちてまして、いつもご乗車になるお客さまのものだったので、お預かりしてました」
「ありがとうございます、お…沖田さん。これお気に入りで、失くしてがっかりしてたの。エクレア大好きなので…。たはは…、助かりました」
「よかったですね。では拾得物の返還簿にサインをお願いします」
ペンを受け取るとき手が触れ合う。
一瞬目が合ってドキドキする。
(ゆ、う、か…)
私の署名を見て、彼の唇が動いてる。
私のことを意識しているのかしら?
こんなときめきは久しぶりだ。
(私も、あなたのことがすご~く気になるわ…。ワンナイトでもいいから愛し合いたいわ…)
心の中で唱えてみる。
テレパシーで私の気持ちが伝わらないかしら?
あ、また目が合った。
うっとりしている暇もなく、別のお客が乗車してきた。
沖田くんも仕事モードのキリっとした表情になり、運転席に戻った。
一番後ろの空席に座ると、日中の疲れも出てうつらうつら眠くなってきた。
外は雨が強まり、早足でバスに向かってくる人の姿も見える。
田舎だからこんな時間で、もう終バスなのだ。
定刻になり、バスは出発したが、あとはもう揺れに任せて夢の中。
*****
どれくらい時間が経ったのだろうか?
「優香さん。優香さん!」
肩を揺すられて目が覚めた。
「あれ?沖田くん。ここは?」
「バスの車庫です」
「居眠りしてて乗り過ごしちゃったわ」
「すみません。僕も最後まで気付かなかったです。バスを車庫に入れて、車内を消毒してたら、人が寝てるんでビックリしました。一番後ろの端の席って結構死角なんですよ」
「とにかく降りなきゃ…。あ、傘、傘…」
寝ぼけ眼で慌てて立ち上がり、また忘れたら大変と傘を掴んだ。
「い!痛!」
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