乱交パーティーへようこそ~媚薬は甘くて危険~ (Page 2)
話しかけられることもなく、1人虚しい時間を過ごし、目の前にあったワインを一気飲みした。
こうなったらヤケ酒してやる…!
もう1杯飲み、3杯目を飲もうとしたら誰かにコップを奪われた。
「一気飲みしたら後々気持ち悪くなってしまいますよ」
パッと見ると一瞬にして心を奪われた。
甘いマスクに甘い香り…その匂いにクラッとした。
「大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です」
あなたのせいでクラッとしたとは言えまい。
「空きっ腹にお酒はよくないんですよ。これでも食べて」
私の口に唐揚げを突っ込んできた彼。
「美味しいでしょ?」
「おぃひぃでひゅ」(おいしいです)
口の中は唐揚げでいっぱいでうまく話せない。
すると彼は『プッ』と笑った。
ていうかね、美味しいんだけどなぜこんな大きな唐揚げをくれるわけ?すぐそこにローストビーフとかもっとお洒落な食べ物あるじゃん!
ようやく飲み込めたから一言言ってやりたい!
「…あの…!」
「僕、十夜(とおや)、あなたの名前は?」
「あ、えっと、さえこです」
「ここへは出会いを求めに来たのかな?」
「まぁ…そんな感じです」
「さえこさんくらい美人なら、こんなところに来なくてもいい男性と出会えそうな気がするけどね」
「ぜ、全然ですよ。出会いなんて全くないです」
「十夜さんこそモテそうなのになんでここへ?」
「僕なんて全然モテないですよ。職場は女性はいないし、気づいたらみんな結婚しちゃってて、焦って今日来たって感じです」
十夜さんも私と同じだった。
こんなにすてきな人でも焦るんだと思うと、安心して心を開くことができた。
唐揚げの件は…なしにしてあげよう。
そして十夜さんの知り合いの人達も数人集まってきて、みゆきも戻り、みんなで会話をした。
*****
するとアナウンスが流れ、
【これよりいちゃいちゃタイムが始まります。制限時間は2時間となっております。お気に入りの相手と心ゆくまでお楽しみください】
そして照明が暗くなった。
「え、何…?どういうこと…?」
困惑している私の手首を誰かが掴んできた。
誰…?
「僕です、大丈夫ですか?」
十夜さんだった。
「大丈夫です…暗いしこの状況がよくわからなくて…」
「周りを見てください」
「えっ?」
周囲を見てみると薄暗い中でもわかるくらい、ただならぬ雰囲気が漂っていた。
ほとんどの男女が身体を密着させ、唇を重ね合わせている。
よく聞くと微かに淫らな声も聞こえる。
「何これ…みんな何してるの…?」
「説明されてないんですか?このパーティーはそもそも【こういうパーティー】ですよ」
「え…?嘘…。あ、みゆき探さないと…」
「先程の友人ならあそこにいますよ」
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