垂れ目の彼は、カワイイ年下クン
体の関係が続くカワイイ彼は年下の俳優。セックスもいい感じだし、結構本気だったのにあっちはそうでもないみたい。がっかりして帰ろうとした私の手を掴んだ彼は、何故か強引にベッドに押し倒してきて…?!
体の関係もこれで三回目。
お互いのクセが分かってきてセックスも波に乗って、今が一番楽しいと思ってたのに。
「ああ、ああ。…分かってるって言ってんだろ。うん。楽しみにしてるから、ふふ…俺も」
ぶっきらぼうだけど、電話の向こうの相手に甘えてる声。
横顔の目尻が垂れてるのが見えて、ああ、と心がスンっと冷えた。
どう考えてもこれはアレだわね。
本命か、セフレ以上の女だ。
ちぇっ、せっかくいい男だったのに。
こっちは全くのフリーで、三ヶ月前にようやく捕まえたイイ男。
誘ってきたのは向こうからだけど、いい気分で酔ってたしこの見た目だから、クラブで出会ったその日のうちに寝た。
若手俳優で、端役だけどテレビにも出てくるようになったモデル出身の彼はとにかくイケメンだった。
垂れ目の泣きぼくろが色っぽくて、だけどベッドの上で見下ろしてくる目は少し冷たい。
なのにセックスは優しい。シャワーを先に入らせてくれたり、飲み物を渡してくれたり、ガウンまで着せてくれる。
やってってお願いしたら脚まで揉んでくれそうなほど甘やかしておいて、セフレ、か。
惚れられてるって自惚れてたわ。くそう。
今夜は帰って飲むかぁ。
体の芯までとろとろにされるセックスを二時間されて、正直このまま眠りたいけど、今夜は自分のベッドの方が良さそう。
「今日は帰るね」
「え?」
通話を切った彼が振り返った。
「でも、明日休みでしょ?結衣さん」
「うん。でもゆっくり眠りたいし」
「何、なんか不満だった?」
「そういうんじゃないよ。明日はちょっと予定もあるから」
「誰と?」
パシッと手首を掴まれた。バスルームに逃げようとしたところを止める彼の目は、なんだか少し、怖い感じになってた。
「誰だっていいじゃない」
無理に手を引いて振り払う。強かった彼の手はあっさり解けたけど、ちょっと痛かったせいかイライラした。
「次、いつになるか分かんないからあんまり催促しないで。最近仕事も立て込んできてるし…ッ!」
「何だよソレ」
また手首を掴まれた。覆い被さるように立ちはだかった彼が私をそのまま壁際に追い詰める。
「ちょっと、何なの?離してよ!」
「やるだけやったらポイ?…ふざけんな…」
「あ、やっ、離して!」
強引に腕を引かれ、ベッドに戻される。
「あっ」
ばふっとマットレスに投げ出された衝撃に呆然とした。何なのよ、コレ。だって今までこんな乱暴なマネされたことないのに。
最高でした…
作者ファンです。男の子の気遣いが素敵で心情描写も多くお話に入り込んで終始ドキドキしてました。
次のお話を楽しみにしています。
りゅな さん 2021年6月16日